大量の本が整然と並ぶ部屋は、こざっぱりとした雰囲気で気持ちがいい。荻原魚雷さんは、ここ15年ほど、平日の家事をほとんどこなしてきた。もちろん、掃除もそのひとつ。
「一度に全部やろうとするとしんどいので、『今日はこの部屋』と順番を決めてやっています。見えない場所に関しては目をつぶるのも大事。塵ひとつない、というのは不可能ですから」
とはいうものの、細かい部分を掃除するためのグッズも常備。冷蔵庫のドアのすき間などを掃除する試験管用ブラシ、五徳の焦げを落とすプラスチックフォークなど。荻原さんがあれこれ試した末に辿り着いたものだ。
「フォークは最近改良しました。歯を1本折って、空いた部分で、お湯をかけながらこするとよく落ちるんです」
ほかにも、100円ショップのグッズで自作したまな板掛けや、「吸水性が高くパリパリに乾いて何度でも使える」と愛用中のセルロースクロスなど。日々、自分に合うものを見つけては暮らしの小さな不便を解消している。
「前は雑巾も自分で縫っていたけれど、100円ショップのグッズが登場してから意識が変わりました。頼れるものにはどんどん頼ろうと思っています」