松田美智子さんに学ぶ、煮きりみりんの作り方と4つのアレンジレシピ。
撮影・荒木大甫 文・板倉ミキコ
【ひじきの白和え】煮きりみりんを少量使うだけで味が決まる。
出汁と煮きりみりん、薄口醤油で作る、優しい味わいの白和え。丁寧にすり鉢であたった滑らかな豆腐が、控えめな味付けと好相性。
【材料】
ひじき10g、出汁1カップ、煮きりみりん大さじ2、人参(直径3cmくらいのもの)3cm、薄口醤油大さじ1、絹ごし豆腐1/2丁、A[煮きりみりん大さじ1、薄口醤油小さじ1]
【作り方】
1. 水で戻したひじきは海藻のにおいがなくなるまで洗い、水気を切る。人参は皮をむき、繊維に沿って千切りに。
2. 小鍋に出汁を沸かしてひじきを入れ、煮きりみりんを加えて中火で煮る。人参と醤油も入れて火を止め、常温になったら、ストレーナーで汁気を切る。
3. 水を切った絹ごし豆腐をすり鉢でなめらかにあたってAを混ぜ、ひじきと人参を加えて和える。
【切り干し大根】噛むほどに切り干し大根の旨みを感じる一品。
切り干し大根は水を変えながら揉み洗いし、乾物特有のにおいをなくしてから使うと、煮きりみりんのまろやかな風味が損なわれない。
【材料】
切り干し大根30g、豚三枚肉100g、生姜千切り大さじ1、ごま油大さじ1、出汁1・1/2カップ、煮きりみりん大さじ3、薄口醤油大さじ1、青ねぎ適量
【作り方】
1. 切り干し大根は水で戻し、においが抜けるまでよく揉み洗いし、水気を絞る。豚三枚肉は1cm幅に。
2. 厚手の鍋に生姜とごま油を入れて中火にかけ、香りが立ったら肉を加え、切り干し大根をほぐしながら炒め合わせる。
3. 2に出汁を入れ、煮立ったら煮きりみりんを加え、蓋をせず汁気がなくなるまで煮る。
4. 仕上げに醤油を加えて火を止める。器に盛り、斜め薄切りにした青ねぎをのせる。
《きゅうりの酢の物》酢の物の王道にも。ゆずの香りでさわやかに。
煮きりみりんがあれば、好みの割合の合わせ酢をすぐに作ることができる。酢を少し弱めにすることで冬場にもぴったりな酢の物に。
【材料】
きゅうり1本、塩小さじ1/3、乾燥わかめ1/4カップ、A[煮きりみりん大さじ3、ゆず汁大さじ1、米酢大さじ1]、ゆずの皮適量
【作り方】
1. きゅうりは縦半分に切り、種を除いて斜め薄切りにし、塩を振っておく。水で戻した乾燥わかめは、水気を切って筋を除き2cm大に切る。ゆずの皮はワタを除き、細い千切りに。
2. きゅうりの水気を絞り、わかめと一緒に盛り付ける。合わせたAを回しかけ、針ゆずをあしらう。
松田美智子(まつだ・みちこ)●料理研究家。テーブルコーディネーター、日本雑穀協会理事、女子美術大学講師。近著に『松田美智子料理教室「絶対の定番」丁寧なのに簡単な季節のごはん』(小学館)がある。
『クロワッサン』988号より
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