くらし

お正月を清らかに迎える手作りのしめ縄。

少ない材料で作れる正月飾りと、和紙を使ったおもてなしのアイデア。作るひと手間も楽しんで。
  • 撮影・雨宮秀也 文・黒澤 彩
挿花家 雨宮ゆかさん

花の仕事をする雨宮ゆかさんにとって、お正月は一年でもっとも大切にしている節目。毎年12月30日には年初の花を心あらたにいけるため、それまでに大掃除や餅つきなどの準備を終えるのだそう。しめ縄を綯(な)うことも、恒例のお正月仕度のひとつ。
「新年に飾るしめ縄には、年神様をお迎えするという意味があります。『この場所は清浄です』と示す結界でもあるので、先に掃除をして、場を整えてから飾るようにします」
普通のロープなら2本で綯うところを、しめ縄は3本で。稲の穂首は龍や神様の使いである蛇に見立てられるので、切らずに先端まで綯うこと。また地方によって、左綯え、右綯えの違いなど細かいしきたりもあるけれど、「そうは言っても自分の家に飾るのだから、気軽に楽しんでください」と雨宮さん。教わった水引や餅花飾り、おもてなしにも使える和紙小物はどれも少ない材料でできて、作りやすい。
「この一年を振り返ったり、来年がいい年になるよう願いを込めて手を動かすひとときは、とても豊かです」

玄関や居間に掛けて楽しむ、シンプルなしめ縄の飾り。

しめ縄の正月飾り
むずかしそうに見えるしめ縄も、基本を覚えれば、しゃもじ形や輪飾りにしたりと好きな形にアレンジできる。稲藁は、ホームセンターなどで園芸用に販売されているので手に入りやすい。「藁を綯うとき、根元のほうを誰かに持ってもらうと楽です。家族で作るそんな時間も大切に思えるもの」

材料

稲藁15本(奇数×3の本数にする)、ラフィア、ビニタイ、稲穂5本(奇数にする)、南天、書道用半紙(厚手の楷書用)

徳利結びの方法

1. 巻き始めを親指で押さえ、手前から右奥へひと巻き。親指の上を通して左奥へともう1周巻く。巻いたひもを矢印のように巻き始めのひもの左側に出し、親指を抜き、その穴に通して引き抜く。
2. 両方のひもを水平に引いてぎゅっと締める。
最後にしっかりとかた結びをして両端を短く切る。

紙垂(しで)の折り方

1. 1/4のサイズに切った半紙を4つ折りにする。
2. 2つの山を作るように、横に4等分に折る。折り目に沿って、互い違いに3本の切れ目(2/3くらいまで)を入れる。
3. A、B、Cの順に切れ目を入れた2/3のところで紙を返しながら手前に折り、階段状にする。
階段状になった図。
4. 右上を三角に折って、差し込む「爪」を作る。
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