くらし

【物置など雑然としたスペース編】こんどこそ捨てられるように! いる・いらないの即決術。

  • 撮影・岡本 潔 文・大澤千穂

まずはロフトに上り、中身のわからない段ボール箱や袋を下に下ろす。その後、荷解きして、中身をジャンル別に分けていくという流れだ。

「今ある物の傾向を掴み、おおまかに分別することで、『いる・いらない』の判断スピードがぐっと上がります」

仕分けてみると、多かったのはポリタンクやペットボトルの水などの防災用品、年賀状をはじめとする手紙類、キャラクターグッズや昔の習い事道具など趣味の品もかなりの量となった。

「防災用品は、こういう非生活空間に置いていいと思います。でも年賀状など手紙は年々たまるので、保管は1年以内と決め、定期的に処分しましょう」
と金子さん。一方で趣味の品は「無理に処分しなくてもOK」とのこと。その寛容な意見に田中さんも、「えっ、いいの?」と拍子抜け。

「はい。田中さんの持ち物は楽しいものが多いし、それがお仕事の糧になっているのですから。見ていると田中さんは要・不要の決断が速い。定期的に判断さえすれば、物を持つこと自体は悪いことではありません。好奇心と行動力が旺盛な方のもとには、自然と物が集まってくるんですよ」

田中さんも力が湧いてきた様子。

「確かに! そう言ってもらえると気が楽です。でも、またすぐ元の状態に戻ってしまいそう。今日の教えをもとにマイペースで続けていきます(笑)」

(1)張り切りすぎは挫折のもと。1日で片づけようと考えない。

4畳半ほどある空間に、箱や袋が足の踏み場もなく詰め込まれたロフト。「これだけの物量を一気にどうにかしようとすると頓挫します。何回かに分けて段階的に取り組むことが大切」と金子さん。

(2)荷物を取り出して系統別に分類。初日は全体の2割を目標に。

発掘した品は防災用品、趣味のグッズ、手紙類に大別できた。「そういえばこんなものもありましたね」と、田中さん自身が存在自体を忘れていた品も。

(3)不用品は破棄、いるものはグループ分けして透明な箱や袋で再収納。

(1)コレクターズアイテムの初期型「ブライス人形」は高値で売れそう。(2)製薬会社のグッズコレクション。咳止め薬の非売品人形はレアもの!(3)愛用していたミシン。手芸好きの田中さん、再活用するつもりだ。(4)製薬系グッズ再び。懐かしの「マキロン坊や」はランプも点灯する。
(1)かつて趣味にしていたフラダンスの道具。使う予定はないので廃棄。(2)大のかばん好きとあって、古くなったバッグも大量に発見された。(3)歴代の趣味道具の一つ、カメラの三脚。多趣味ゆえに物が増える!?(4)PC機器のコードの塊。もはや何の付属物かも不明なので全部廃棄。

(4)全容を把握し物を減らすことで、次回の片づけのハードルが下がる。

田中ひろみ(たなか・ひろみ)●イラストレーター、文筆家。全国の仏像に精通。『ペンでなぞるだけ写仏 一日一仏』(講談社)、『東海仏像めぐり』(ウェッジ)ほか、著書多数。

金子由紀子(かねこ・ゆきこ)●シンプルライフアドバイザー。無理なくシンプルな生活を提案。近著に『人生の居心地をよくする ちょうどいい暮らし』(青春出版社)がある。

『クロワッサン』970号より

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