【紫原明子のお悩み相談】気の合わないママ友がいます。 | くらしにいいこと | クロワッサン オンライン
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【紫原明子のお悩み相談】気の合わないママ友がいます。

『家族無計画』や『りこんのこども』などの著書があるエッセイストの紫原明子さんが読者のお悩みに答える連載。あなたもお悩みを投稿してみませんか?

<お悩み>
40代、子ども2人フルタイム勤務のワーママです。
子どもが小学校から高校までの一貫校に通っているのですが、同じ学年のお母さんで、どーしても気が合わないひとがいます。 何かあったわけではないのですが、ぐいぐいと人の個人的な部分に入ってくる感じ、オープンなひとを装っていながら、実は噂話が大好きな感じがどうしても苦手です。
向こうも私が自分を苦手としていることを知ってか、私を避けたり、みんなに声をかけるお茶会などには私に一切声をかけないなど、露骨に態度に出してきます。 高校までの一貫校なのであと10年以上同じ輪の中で付き合わないといけないのですがかなりストレスです。いやと思えば思うほど、余計いやになってしまい、みんなで顔を合わせる懇談会やPTA活動が苦痛です。
どんな心持ちで乗り越えたらよいかアドバイスいただけたら助かります。
(相談者:ぴょんちゃん/事務職フルタイムの40代会社員です。幼稚園と二年生の子どもがいます。)

紫原明子さんの回答

ぴょんちゃんさん、こんにちは、そしておめでとうございます!

気が合わない人に気が合わないと判断されているとのこと。見事両思いじゃないですか! ほかは全部気が合わないのに、こいつとはどうも気が合わない、というただ一点において同じ思いを分かち合えるという奇跡。本当に良かったですね。そもそも、どう考えても気が合わないのに義理でお茶に誘われたり、話しかけられたりするのって結局のところ誰の得にもならないし、その時間は無駄、苦痛、修行以外のなにものでもないですからね。ましてや先方は気が合わないことを露骨に態度に出してくるような大人げないタイプとのことですから、下手に触るとどこで逆鱗に触れるか分かりません。触らぬ神に祟りなしです。しかし学校でやむを得ず顔を合わせてしまう際にはぜひ、“私の意志を尊重し、私を避けてくれて本当にありがとう。あなたはどうしてそんなにも私の気持ちが分かるの? もしかしてマザーテレサ?”というような感謝120%の気持ちで接してみてください。混乱した先方が、“この人どうかしている”とひるめばその瞬間、自動的にぴょんちゃんさんの方が先方にとっての“触らぬ神”になれるかもしれません。

冗談はさておき、……って決してここまでも冗談ではないのですが、そもそも人がPTAや会社や学校など、他人との関係性を持たざるを得ない場に投げ込まれたとき、人の振る舞いは大きく分けて3パターンあると思います。一つは、その環境の中で、自分の理想とする小さなお城を作るパターン。二つ目は、環境が理想とする存在に自分自身を変化させる(合わせる)パターン。そして3つ目は、この2つを両方やる合わせ技パターンです。多くの人は、もともと気の合いそうな仲間で集まって、その集まりの中に自分をより調和させる、つまり3番目のパターンを選ぶことが多いと思いますが、いわゆるボスに君臨する人にはどうも、1のパターンが多いように思います。コミュニティから排斥するというやり方を選ぶ点を鑑みても、ぴょんちゃんさんを困らせている人というのは1の人ではないかと思われます。

一般的に1の人は、強引な手腕で未来永劫無敵のように思えるけれど、ところがどっこい、案外そうでもないのではないか、というのが私の見解です。

というのも、誰か一人の理想に忠実に作られた独裁国家では、やっぱり時間とともに国民の不満が溜まります。2や3の人達は柔軟性があるので、それでもなんとか適応したり、表面上は適応したふりをしたりするでしょうが、少しずつ“なんかおかしくない?”が共有され始め、ふとしたときに力関係が大きく変化する、ということが大いにあり得ます。何しろ1は、この3つのパターンの中で唯一柔軟性を持っていないのでいざとなったら一番脆弱。足元をすくわれるときは一瞬です。

長い付き合いの中では、人間関係における力学も刻々と変化していきます。今はたとえ蚊帳の外でも、いつか必ず風向きが変わります。で、そのときのために何より大事なことは、何をおいても“ヘイトを溜めていないこと”だろうと思うんです。もちろん、今後なにかしら「避けられる」以上に露骨な攻撃や嫌がらせをされたら、当然怒ったり、文句を言ったりするべきですが、現状の先方の態度というのは、気の合わなそうな人とは無理に付き合わないという、大人らしい付き合い方の範疇にあると感じます。ですから、これに対してヘイトを溜めると、2つの理由からぴょんちゃんさんが損する可能性があると思うんです。一つ目は、今後なにかのきっかけで接点を持つことになる周囲の人が「この人は憎しみや恨みの強い人だから蚊帳の外に追いやられていたんだ」と誤解しかねない損。そしてもう一つは、ストレスによって自分の心身が蝕まれる損です。どちらもなるべくなら避けたいものですよね。ですから最初に申し上げた通り、面倒な人と付き合わなくて良い特権を与えられたと思って、どうか今この瞬間を心地よく過ごされてください。そうするときっとそう遠くないうちに、独裁国家に辟易した人が、いつも健やかで楽しそうなぴょんちゃんさんに惹かれて近付いてくるはずです。

……と、この読みがもし当たったらぜひご一報ください。数年後の続報、お待ちしてます。

イラスト:クロワッサン編集部・どーなつ

紫原明子● 1982年、福岡県生まれ。個人ブログが話題になり、数々のウェブ媒体などに寄稿。2人の子と暮らすシングルマザーでもある。Twitter

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