保存はそれ自体がひとつの記録行為であり、同時にその子個人のみならずその時代全体の歴史的資料を残すことでもある――編集部 | くらしにいいこと | クロワッサン オンライン
くらし

保存はそれ自体がひとつの記録行為であり、同時にその子個人のみならずその時代全体の歴史的資料を残すことでもある――編集部

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、創刊2号目の育児特集から編集部の言葉を拾ってみましょう。
  • 文・澁川祐子
1977年6月号「子どもを『記録』する」より

保存はそれ自体がひとつの記録行為であり、同時にその子個人のみならずその時代全体の歴史的資料を残すことでもある――編集部

創刊2号目の育児特集のテーマは「子どもを『記録』する」。デジタル化が進んだいまでこそ、写真や映像で気軽に記録が残せますが、約40年前の1977年といえば、ちょうど家庭用ビデオデッキが登場した頃。記録方法は、いまよりずっとアナログでした。

紹介事例で、もっとも多かったのは育児日記。時間があるときに50円の大学ノートに日々の出来事を書き込むだけという人もいれば、あわせて1年ごとに手型と足型を記録している人、新聞の切り抜き記事を挟んでおくという人も。満7歳までに親が聞いた言語はすべて記録したというツワモノも登場します。

ユニークだったのは、ママ友同士の交換ノート。各地に散らばる昔の仲間11人が、郵送で順にまわしているというノートが紹介されています。

近況報告に加えて家族の写真を貼ったり、子どもの作文を挟んだり。時には共通のテーマで書いたり、ゲストが登場したりすることも。現代ならさしずめLINEのグループ機能を使って済ませてしまうところかもしれませんが、時間をかけたやりとりが大切な思い出となって残りそうです。

記事のおしまいには、カセットテープで子どもの声を録音する、おもちゃや洋服を取っておく、といった方法も編集部から提案。この記事自体がすでに時代を映す断片になっているように、名言のとおり、これらの育児記録は40年余り経ったいま、当時の等身大の暮らしを教えてくれる史料になりつつあるといえるでしょう。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE