「女性に比べて男性、特に中高年のおじ様たちは、コミュニケーションに不器用なところがあります。世間話や共感が苦手で、会社という年功序列の“村社会”で長年生きてきたことで、他者とフラットな関係性を築きにくい。仕事をしているうちはいいけれど、忙しさにかまけて友人とも疎遠になり、家族からも邪魔者扱い。気づいたら心を通わせる人がいない、ということになりやすいようです」
本書では、そんな男性たちに向けた処方箋を提案するとともに、今年1月、政府が「孤独担当大臣」を新設して話題になったイギリスの取り組みを紹介。日本との温度差は明白だ。「慈善団体の活動など、草の根から始まっているイギリスの孤独対策は、日本でも参考にできるのでは」と岡本さん。
「日本は他の先進国に比べて高齢者の幸福度が低いというデータもあります。その根底には、人間関係の希薄さがあるような気がしていて。老後のためにお金を貯めるのと同様に、現役時代から人との繋がりという資産を築いておくことが大切。強がっていても、人は一人では生きていけませんから」