20年以上も人口減少に悩んできた島根県は、この分野では最先端。6年前から東京で開催する「しまコトアカデミー」という講座を詳しく紹介しているのは、これがまさに関係人口を生み出す仕組みだから。名所旧跡を教える観光案内所ならぬ、地域に住むキーマンや現地の居場所とつなげる“関係案内所”の役割を果たしているのだ。
「講座を通して驚いたのは『自分はふるさと難民』という若い世代の声。私たち世代にとって出ていく場所だったふるさとに、今の若い人は新しいまなざしを向けていて、人のつながりが温かく、おかえりとただいまが言える場所だという。自らの出身地は、上京した親が暮らす都市の郊外で、地元の学校に行っていない場合も多く、地域のつながりが薄いんですね。もっと人と触れ合えるふるさとが欲しいという意識になっている。時代は変わったなと感じました」