こぐれさん夫妻の、食通の仲間と一緒に囲む大人ならではのおやつ。
撮影・青木和義 文・嶌 陽子
いろいろな味を経験してきた食通たちが考える、“大人のおやつ”とは?
わいわいと3種類を食べ比べる中、話題は“大人のおやつとは?”に。
「たくさんはいらない。だから、今日のおやつみたいに、全部一口サイズだとうれしいな」(ひでこさん)
「そうそう。ちょこっとつまめれば、それで充分」(山本さん)
「派手だけどどこかばらついた見た目のものより、きゅっと統一感があるもの。おいしいおやつって、自然と“いい顔”をしてるのよね」(クリスさん)
流行も知りつつ、いろいろな味を経験してきた面々の言葉には説得力がある。
スーパーで買えるお菓子が無性に食べたくなる時もある。
そんな中、「僕はスーパーで売ってるあんドーナッツなんかも、無性に食べたくなる時があるよ」と、徹さん。昔から、甘いものには目がないのだ。
「私も、高級チョコも好きだけど、普通の板チョコも好き」と山本さんも言い、しばし、スナック菓子の話にも花が咲く。普段のおやつには、そうした気軽なものもうれしい。
「小さい頃、駄菓子屋のさいころあめや変わり玉を食べたなあ。高校生の時はウイスキーボンボンが好きだった」
懐かしそうに振り返る徹さん。
「私が子どもの頃、ロシアケーキっていうのがあったんだけど、知ってる?」
近田さんの言葉に、一同、「それ、何だっけ?」と、またひとしきり盛り上がる。いつの時代も、どんなジャンルでも。やっぱりおやつは、皆の気持ちを浮き立たせてくれるものなのだ。
小暮徹●’72年、渡仏。’76年に帰国後、数数の雑誌や広告で活躍。TVCF作品も数多く手がけている。
こぐれひでこ●服飾デザイナーを経てイラストレーターに。食や暮らしに関するイラスト、文章を中心に活躍中。「こぐれひでこのごはん日記」( https://www.mylohas.net/tags/kogure_hideko/ )も人気。
『クロワッサン』960号より