『少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展』国立新美術館──少女漫画に革新をもたらした3人の女性たち
青野尚子のアート散歩。今回は、漫画界のレジェンドとして多くのファンを持つ萩尾望都、山岸凉子、大和和紀、その3人が登場する展覧会。国立の美術館で開かれる少女漫画の本格的な展覧会としては初めて。少女たちだけでなく大人の女性や男性も虜にする、広がりのある物語世界に浸ることができる。
文・青野尚子
漫画家の萩尾望都、山岸凉子、大和和紀。誰もが一度は夢中になって読みふけったことがあるだろう。60年代後半にデビューした彼女たちは内面への深い考察、女性の自立、多様な性のあり方などに光をあて、新しい文学ともいえる世界を確立した。漫画界のレジェンドとして多くのファンを持つ3人が登場する展覧会が開かれる。国立の美術館で開かれる少女漫画の本格的な展覧会としては初めてのものだ。
3人の漫画家たちは絵柄も物語も個性的だ。永遠の時を超えて生きる吸血鬼(バンパネラ)を主人公にした連作「ポーの一族」、「11人いる!」など萩尾望都の心理描写や壮大な世界観を背景にしたストーリーテリングには定評がある。「アラベスク」で卓越した身体表現を見せた山岸凉子は、聖徳太子を中性的な人物として描いた「日出処の天子」でセンセーションを巻き起こした。大和和紀は激動の大正時代を舞台に自立した女性が活躍する「はいからさんが通る」、華麗な絵柄と正確な時代考証で『源氏物語』を漫画化した「あさきゆめみし」で知られる。
展覧会ではこれら代表作のほか、約60年の間に彼女たちが生み出した作品世界をカラー・モノクロを含む800点以上の原画や貴重な資料で紹介する。繊細な線や緻密な画面構成、印刷物では再現しきれない微妙な色合いやディテールを楽しめる。少女たちだけでなく大人の女性や男性も虜にする、広がりのある物語世界に浸ることができる。
『少女漫画・インフィニティ 萩尾望都×山岸凉子×大和和紀 三人展』
10月28日(水)~2027年2月8日(月) 国立新美術館
音声ガイドナビゲーターは宝塚歌劇で『ポーの一族』などに出演した柚香光。カラー作品は前期・後期で展示替えあり。
国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2) TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル) 10時~18時(金・土曜~20時) 火曜、11月4日、12月28日〜2027年1月5日休(11月3日、12月8日は開館) 観覧料一般2,200円ほか
『クロワッサン』1176号より
広告