陶芸、日本画、仏教美術、庭園……。京都の心ときめく小さなミュージアム
撮影・津久井珠美 文・宮下亜紀
【祇園】ZENBI -鍵善良房- KAGIZEN ART MUSEUM
老舗和菓子店と作家が紡いだ美の結晶
300年以上の歴史を誇る和菓子店『鍵善良房』が、祇園で育まれてきた美意識、文化を継承する場として2021年に設立。モダンな空間に格子や坪庭といった設えが取り入れられ、邸宅のように心落ち着く。12代目・今西善造とのつながりから、飾り棚や螺らでん鈿くずきり用器など、数々の代表作を生み出した木漆工芸家・黒田辰秋の作品をはじめ、様々な工芸や現代美術の展覧会を行う。作家とのコラボレーションによるお菓子やグッズも注目。
住所:京都市東山区祇園町南側570-107
TEL:075-561-2875
開館時間:10時~18時(入館~17時30分)
閉館日:月曜(祝日の場合は翌火曜)
入館料:一般1,000円(変動あり)
【嵐山】福田美術館
若冲を筆頭に、日本画界のオールスターをコレクション
渡月橋がかかる大堰川(おおいがわ)のほとりに佇み、伊藤若冲、円山応挙、上村松園など、主に江戸時代から近代までの名だたる日本画家の作品約2,000点を収蔵する。「たとえ美術に詳しくなくとも感動を覚える」というコンセプトを掲げ、好奇心をくすぐる展覧会を企画。展示室は「蔵」をイメージして設計され、至近距離で作品を鑑賞できる。
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
TEL:075-863-0606
開館時間:10時~17時(入館~16時30分)
閉館日:展示入替期間、年末年始
入館料:一般1,500円
【五条坂】藤平伸(ふじひらしん)記念館
愛おしい気持ちになる、“陶の詩人”の心豊かなアトリエ
清水焼発祥の地・五条坂にある「藤平陶芸」の次男に生まれた陶芸家・藤平伸。子どもの頃から絵が好きで、ろくろは使わず、手びねりやたたら技法で、伸びやかに作陶。器に限らず、人形や動物のオブジェなども手がけ、“陶の詩人”と呼ばれるほど、詩情あふれる作品を作り続けた。油問屋の蔵を移築した趣あるアトリエにて、春秋のみテーマに沿って作品を公開。弘法市などで集めたお気に入りの古道具なども展示され、隅々まで楽しめる。
住所:京都市東山区下馬町490-6
TEL:075-551-0712
営業時間:10時30分~17時30分
閉館日:月曜(祝日の場合は翌火曜)
開館日:春期4月15日~5月31日、秋期10月1日~11月11日
入館料一般500円
メールでの予約優先(f.kinenkan@gmail.com)。
詳細はHPにて。
http://fujihiramiho.com/fujihirashin.html
【七条堀川】龍谷大学 龍谷ミュージアム
仏教美術に秘められた教えや、歴史をひもとく
世界遺産・西本願寺の向かいにある、仏教文化に特化した仏教総合博物館。美術的観点はもとより、そこに込められた思想や背景まで掘り下げて仏教文化を紹介する。真如堂は藤原道長の姉・詮子らの発願により創建。大規模な展覧会は初となる。調査研究にて新たな発見となった鎌倉時代の阿弥陀如来立像などが公開に。仏師・運慶の発願によって書写された国宝「法華経」も必見。
住所:京都市下京区丸屋町117
TEL:075-351-2500
開館時間:10時~17時(入館~16時30分)
閉館日:月曜(祝日の場合は翌火曜)、展示替え等休館あり
入館料は展示により異なる。
【吉田山】重森三玲庭園美術館
時代が変わっても色あせない、昭和を代表する作庭家の自邸
東福寺方丈庭園はじめ、手がけた庭が“永遠のモダン”と評される作庭家・重森三玲の自邸の書院と庭園部を公開。江戸時代に建てられた書院と、昭和に自身で造った庭と茶室が、時代を超えて融合する。市松模様や洲浜(すはま)といった伝統的な意匠が、素材やデザインによって洗練された印象に。生け花や茶の湯、庭を研究し、本質的な日本の美を理解しているからこそたどり着いた美しさ。三玲が造った庭は京都に10カ所以上。共に巡りたい。
住所:京都市左京区吉田上大路町34
入館料:一般1,200円(庭園・書院・茶室を外から見学)予約観覧制。
詳細はHPにて。
http://www.est.hi-ho.ne.jp/shigemori/
『クロワッサン』1161号より
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