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被災した高齢犬との暮らし──毎日が豊かに! 預かりボランティアライフに密着

東日本大震災で被災した犬や猫の過酷な状況を見聞きし、2012年に保護団体でボランティアを始めた動物好きの小林マナさん。

撮影・黒川ひろみ 構成&文・野尻和代

私にとって老犬は天使のように愛おしい存在です

小林マナ(こばやし・まな)さん●インテリアデザイナー。1966年生まれ。1998年に夫の恭さんと設計事務所「ima」を設立。現在、自宅スペースには15歳になる飼い猫のマロンも
小林マナ(こばやし・まな)さん●インテリアデザイナー。1966年生まれ。1998年に夫の恭さんと設計事務所「ima」を設立。現在、自宅スペースには15歳になる飼い猫のマロンも

動物好きの小林マナさんが、東日本大震災で被災した犬や猫の過酷な状況を見聞きし、保護団体でボランティアを始めたのは2012年のこと。最初はインテリアデザイナーのスキルを生かしてシェルターをDIY。その後、週1回の犬のお散歩ボランティアをしていたという。

「そのうち犬を引き取りたい気持ちが芽生えてきて。でも、当時私たち夫婦は猫を3匹飼っていたので、保護団体からは譲渡は難しいと。けれど、預かりボランティアなら……ということで我が家へやってきたのが、福島で被災した年老いたサモエド犬のタケでした。私は仕事が忙しく、時には出張もあるので、大型犬で、だけど運動量が少なく、手もあまりかからない老犬が選ばれたようです」

小林さんにとって高齢犬との暮らしは初めての経験。でも、タケは本当に温厚で、夫や事務所のスタッフと共にお世話をしながら穏やかな時間を過ごしたそう。その後7カ月ほどでタケは病気で亡くなってしまうが、以降、老犬に魅了されて預かりボランティアを続けている。

「老犬ってなんともいえないおもしろさがあって、天使みたいなんです。とはいえ、目が見えずに徘徊をする子、不安症で鳴き続ける子……大変な子も預かってきたし、うちで最期を看取った子もいます。もちろんそれは悲しいことですが、私には里親に出す別れのほうがつらい。いつまでも行く末が気になっちゃうんですよね」

現在預かっているイチゴは、9代目で推定15歳。足に変形があり、耳も聞こえないけれど、小林さんの自宅兼事務所でみんなに見守られながら、のんびりと暮らしている。

「本当におっとりとしていて、すごく愛らしいのですが、老犬は里親が見つかりにくく、この子はうちに来て5年半になります。でも、実のところ、私はずっとうちにいてほしいって思ってるんです(笑)」

近くの公園を毎日朝晩15分ずつ散歩するのが日課
近くの公園を毎日朝晩15分ずつ散歩するのが日課
人間も犬も大好きで愛想がいいイチゴ
人間も犬も大好きで愛想がいいイチゴ
小林さん宅の2階のプライベートスペースは愛猫マロンのテリトリー。イチゴは1階の事務所スペースで自由に過ごす。「私の不在時は事務所スタッフがお世話をサポートしてくれます。見守りチームの結束力が強くなっていて、それも老犬預かりをしてよかったことの一つです」
小林さん宅の2階のプライベートスペースは愛猫マロンのテリトリー。イチゴは1階の事務所スペースで自由に過ごす。「私の不在時は事務所スタッフがお世話をサポートしてくれます。見守りチームの結束力が強くなっていて、それも老犬預かりをしてよかったことの一つです」
近くの公園を毎日朝晩15分ずつ散歩するのが日課
人間も犬も大好きで愛想がいいイチゴ
小林さん宅の2階のプライベートスペースは愛猫マロンのテリトリー。イチゴは1階の事務所スペースで自由に過ごす。「私の不在時は事務所スタッフがお世話をサポートしてくれます。見守りチームの結束力が強くなっていて、それも老犬預かりをしてよかったことの一つです」

『クロワッサン』1140号より

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