フェイスブックで偶然見つけた投稿がきっかけ──毎日が豊かに! 保護猫の預かりボランティアライフに密着
撮影・黒川ひろみ 構成&文・野尻和代
猫も人間も一緒に幸せになる架け橋になりたい
飼い猫3匹が保護猫出身で、以前から保護猫のためのボランティア活動に興味を持っていたという尾坂博子さん。子育てが一段落したタイミングでコロナ禍になり、時間に余裕ができた2020年夏から、保護猫団体「みなとねこ」の預かりボランティアを始めた。
「当初は近所の保護団体を探していたのですが、フェイスブックで『みなとねこ』の“1カ月でもいいので、猫を預かってほしい”という投稿を偶然見つけて。それから気がつけば5年近く……。ひっきりなしに猫を預かっていて、これまで79匹の猫の面倒をみてきました(笑)」
戸建てに暮らす尾坂さんは、ゲストルーム用に空けていた四畳半の一室を保護猫専用の部屋に。取材時、そこで預かっていたのはポルコ&ロッソ、ジンジャー&ペッパーという2組のきょうだい猫。いずれも生後1歳未満の若い猫だ。
「うちに来て1カ月もたたずして、新しい家族が決まる場合がありますが、この2組は何度か譲渡会に出ているものの、いまのところご縁がなく、半年ぐらいうちにいます」
預かり期間中の世話は、飼い猫にしていることと同じ。ただし、人慣れしていない猫には、積極的に触れ合って家猫修業をしてもらう。
「ポルコ&ロッソも最初はナーバスでしたが、我が家の飼い猫や先にうちに来て人慣れしていたジンジャー&ペッパーの様子を見て、人間が怖くないことを学んでくれました」
また、月1回の譲渡会には猫を連れて参加することも、大切な活動の一環。事前にアピール用POPを作ったり、会場では興味を持った人にその猫の魅力や、家での様子を説明したり。さらにトライアルが決まれば、里親希望者とさまざまなやりとりも行っているという。
「猫を迎える前に準備するものの連絡や、脱走対策のチェックなど急に忙しくなるのですが、里親さんの猫を迎えるワクワク感が伝わってきて、私もうれしくなります。それまで大切にお世話してきた分、もちろん寂しさはあります。でも、できるだけ多くの保護猫に家族が見つかって、猫と人間が共に幸せになる架け橋になりたいなと思っています」
『クロワッサン』1140号より
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