京都の喧騒から離れて静かな時を過ごす。深呼吸したくなる大山崎へ
撮影・渡部健五 イラストレーション・網中いづる 構成&文・中岡愛子
[大山崎]
東山、北山と並び、三方を山に囲まれた京都を象徴する西山エリア。天王山山麓から、桂川・宇治川・木津川が合流する雄大な景色をのぞんで。
アクセス▼
JR京都駅から「山崎」駅まで約15分、阪急京都河原町駅から「大山崎」駅まで約25分。
アサヒグループ 大山崎山荘美術館
天王山南麓に佇む、英国スタイルの山荘。
坂道を上り、小さなトンネルの先にある、木々に囲まれた静謐な洋館。大正から昭和初期、実業家・加賀正太郎がみずから別荘として設計した英国風山荘の意匠もそのままに、ガラスの屈折を利用した窓からこぼれる光、暖炉の浮彫彫刻――
たびたび足を止めて見惚れる。安藤忠雄設計の新棟「地中の宝石箱」ではクロード・モネの《睡蓮》を常設展示。(取材時は企画展『松本竣介 街と人 -冴えた視線で描く-』を4月6日まで開催中)。5500坪の広大な庭園もすがすがしく、春は桜で彩られる。
◆京都府乙訓郡大山崎町銭原5・3
TEL.075・957・3123(総合案内)
開館10時〜17時(最終入館16時30分) 月曜休(祝日の場合は火曜)、年末年始休、臨時休館あり
聴竹居(ちょうちくきょ)
予約制で見学できる100年前の日本の住宅の理想形。
「建築家・藤井厚二とこの住宅の存在を知ったとき、これは後世に遺さなければと思いました」と、愛情たっぷりに語る代表理事の松隈章さん。「“愉快に暮らす”を最上位のコンセプトにした」知る人ぞ知る建築家が、日本人の感性と気候風土に適した住宅を求め、1928年に建てた5回目の自邸である。幾何学的なデザインが目を引くなか、和紙を重ねた土蔵壁など、自然の力を取りこみ快適に暮らす工夫がたくさん。不思議な魅力に飲みこまれる。
◆京都府乙訓郡大山崎町大山崎谷田31
TEL.075・956・0030 公開日水・日曜
(ウェブサイト https://chochikukyo.com/visit/publicより、希望日の90日〜
3日前までの事前予約制) お盆、年末年始休
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