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京都の喧騒から離れて静かな時を過ごす。深呼吸したくなる大山崎へ

建築美と人の温かさに浸る、大山崎。中心部から南西へ足を延ばせば、呼吸と心がこんなに整う。

撮影・渡部健五 イラストレーション・網中いづる 構成&文・中岡愛子

[大山崎]

東山、北山と並び、三方を山に囲まれた京都を象徴する西山エリア。天王山山麓から、桂川・宇治川・木津川が合流する雄大な景色をのぞんで。

アクセス▼
JR京都駅から「山崎」駅まで約15分、阪急京都河原町駅から「大山崎」駅まで約25分。

京都の喧騒から離れて静かな時を過ごす。深呼吸したくなる大山崎へ

アサヒグループ 大山崎山荘美術館

天王山南麓に佇む、英国スタイルの山荘。

旧応接間の展示室へ
旧応接間の展示室へ
右・喫茶室のオープンテラスにバーナード・リーチの陶板。左・テラスからは男山と三川合流が見渡せる。定番人気のホット紅茶650円、ワインケーキ550円のほか、企画展に合わせた特製スイーツも。
右・喫茶室のオープンテラスにバーナード・リーチの陶板。左・テラスからは男山と三川合流が見渡せる。定番人気のホット紅茶650円、ワインケーキ550円のほか、企画展に合わせた特製スイーツも。

坂道を上り、小さなトンネルの先にある、木々に囲まれた静謐な洋館。大正から昭和初期、実業家・加賀正太郎がみずから別荘として設計した英国風山荘の意匠もそのままに、ガラスの屈折を利用した窓からこぼれる光、暖炉の浮彫彫刻――
たびたび足を止めて見惚れる。安藤忠雄設計の新棟「地中の宝石箱」ではクロード・モネの《睡蓮》を常設展示。(取材時は企画展『松本竣介 街と人 -冴えた視線で描く-』を4月6日まで開催中)。5500坪の広大な庭園もすがすがしく、春は桜で彩られる。

上・本館は国の登録有形文化財。右・「ステンドグラスは階段の踊り場の壁の幅に合わせてヨーロッパから取り寄せたそうです」と館長の大西隆宏さん。左・3階に続く階段
上・本館は国の登録有形文化財。右・「ステンドグラスは階段の踊り場の壁の幅に合わせてヨーロッパから取り寄せたそうです」と館長の大西隆宏さん。左・3階に続く階段

◆京都府乙訓郡大山崎町銭原5・3 
TEL.075・957・3123(総合案内)
開館10時〜17時(最終入館16時30分) 月曜休(祝日の場合は火曜)、年末年始休、臨時休館あり

京都の喧騒から離れて静かな時を過ごす。深呼吸したくなる大山崎へ

聴竹居(ちょうちくきょ)

予約制で見学できる100年前の日本の住宅の理想形。

家族5人と女中1人で暮らした「本屋」。奥に主に書斎や接客用に使われた「閑室」、一段下には「茶室(下閑室)」がある
家族5人と女中1人で暮らした「本屋」。奥に主に書斎や接客用に使われた「閑室」、一段下には「茶室(下閑室)」がある
京都の喧騒から離れて静かな時を過ごす。深呼吸したくなる大山崎へ
「本屋」の縁側より、庭の木々と遠くに男山。景色と光を取り込む横連窓で、夏は涼しく冬は暖か
「本屋」の縁側より、庭の木々と遠くに男山。景色と光を取り込む横連窓で、夏は涼しく冬は暖か

「建築家・藤井厚二とこの住宅の存在を知ったとき、これは後世に遺さなければと思いました」と、愛情たっぷりに語る代表理事の松隈章さん。「“愉快に暮らす”を最上位のコンセプトにした」知る人ぞ知る建築家が、日本人の感性と気候風土に適した住宅を求め、1928年に建てた5回目の自邸である。幾何学的なデザインが目を引くなか、和紙を重ねた土蔵壁など、自然の力を取りこみ快適に暮らす工夫がたくさん。不思議な魅力に飲みこまれる。

右・床の間を配した客室には、着物姿で座りやすいように設計した椅子。中・2点吊りでバランスの取れた照明も藤井によるデザイン。左・食堂室と居室が緩やかに繋がる
右・床の間を配した客室には、着物姿で座りやすいように設計した椅子。中・2点吊りでバランスの取れた照明も藤井によるデザイン。左・食堂室と居室が緩やかに繋がる

◆京都府乙訓郡大山崎町大山崎谷田31 
TEL.075・956・0030 公開日水・日曜
(ウェブサイト https://chochikukyo.com/visit/publicより、希望日の90日〜
3日前までの事前予約制) お盆、年末年始休

京都の喧騒から離れて静かな時を過ごす。深呼吸したくなる大山崎へ

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