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“京都の今”を味わうおまかせ1本の最旬店

長年、京都の食を取材してきたライター・中井シノブさんが、京のいまを映すおまかせ1本の店を選りすぐって紹介。

撮影・東谷幸一 文・齋藤優子

味よし、人よし、空間よし、一度は食べたい京料理の名店

京の春の味覚といえば、琵琶湖の本もろこに桜鯛、山菜、筍……。いずれも近くに産地があり、新鮮なものが手に入るのが利点。

今回紹介したお店は、「店主が京都の名だたる店で経験を積んだ人ばかりなので、仕入れ先や目利きが確か。いい食材を崩しすぎず、真っ当な春の皿に仕立ててくれます」。

好きなものを自由に頼める割烹は「地元客も多く、この街らしい雰囲気が。一方、旬の食材を店主がもっとも得意とする形で繰り出すおまかせの店は京料理のいまが、より感じられるはず。どこも風情が感じられるエリアにあるので、道すがらも楽しんでください」。

御所南|中満(なかみつ)

名店仕込みの技が冴える、炭火を活かした正統派

料理はすべて2万5000円のおまかせから。画像は〆の鮭ご飯。
料理はすべて2万5000円のおまかせから。画像は〆の鮭ご飯。

「『祇園 大渡』『富小路やま岸』『安久』という人気、実力を兼ね備えた店で経験を積んだ中満圭二郎さんが、2024年9月に構えたばかりの、いま一番の注目店です」

さよりと菜の花、椎茸の和え物。
さよりと菜の花、椎茸の和え物。

焼き物を得意とする中満さんは、掘り炬燵式のカウンター奥に、焼き台を設けた。酒粕と白粒味噌に漬けた金目鯛の焼き物から、鮭ご飯へと続くおまかせは、後半さらに印象が深まる。

『安久』時代からの鮭ご飯は、北海道産銀鮭の品のいい旨味と炭火の香ばしさを、鉄釜で炊いたご飯がまとう最高の〆である。

金目鯛の焼き物。魚は修業時代より錦市場の『丸弥太』から。クレソンと独活(うど)、そばの実がのる。川瀬竹秋さん作の器で。
金目鯛の焼き物。魚は修業時代より錦市場の『丸弥太』から。クレソンと独活(うど)、そばの実がのる。川瀬竹秋さん作の器で。

ダシは時間とともに味が深まると、鰹枯節と利尻昆布、井戸水で昼に引いておく。あしらい含め、“もっとおいしく”のひと工夫に個性がのぞく正統派だ。

これだけは仕入れ先が異なる銀鮭に、強めに塩をして炭火で。米は新潟・栃尾産コシヒカリ。
これだけは仕入れ先が異なる銀鮭に、強めに塩をして炭火で。米は新潟・栃尾産コシヒカリ。
“京都の今”を味わうおまかせ1本の最旬店

京都市中京区三本木5・496・2
TEL.075・585・2553
営業時間:17時〜22時 水曜休
全11品2万5000円のおまかせ1本で一斉スタート(開始時間は日により異なる)。東京の和食店でサービスを学んだという妻との二人三脚で営む。

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