移築100周年の「三重塔」を祝うーーホテル椿山荘東京の記念プランで贅沢ステイを
撮影・文 神保亜紀子
知られざる三重塔のユニークな歴史
実はこの三重塔の歴史は古く、室町時代、広島県の篁山 竹林寺に建立されたのが起源とされるそうです。
時は流れ、大正時代。当時の“名園”椿山荘を築いた山縣有朋公爵の意思を受け継ぎ、藤田平太郎男爵がこの三重塔を購入。広島県から、途中、奈良県の宮大工による修復作業を経てはるばる東京・目白へと運ばれ、1925年に現在のホテル椿山荘東京の庭園に移築されたそう。
2010年の大改修の際に行われた年輪年代測定法の調査で、この塔の部材が推定1420年ごろ(室町時代前期)のものと判明。東京都内に現存する古塔は、旧寛永寺五重塔(江戸時代建立)、本門寺五重塔(江戸時代建立)と、この椿山荘の三重塔のみであり、貴重な文化財です。
雲海の絶景が広がるイベント「天空の三重塔(パゴダ)」
竹林寺からの移築100年を迎えた2025年。
三重塔が建つ日本庭園で開かれる雲海を演出する恒例イベント「東京雲海」は、移築100周年を祝い、よりグレードアップ。雲海の広がる場所は幽翠池からさらに広がり、塔を囲むように出現する霧が庭一面に絶景をつくります。
霧の中、庭園の遊歩道を歩いていくと、三重塔が目の前に!天井画や細やかな建築美に圧倒されます。
棟から軒先に渡って屋根を支える長い木材「垂木」は、上下二段にした「二軒」で配列感覚が密な「繁垂木」という様式。平行かつ整然と並ぶ姿に、美しさと品格を感じます。
柱の上部を連結させる「木鼻」には、特徴的な渦巻き模様や植物の彫刻が施されているのも見てとれます。
さらに、塔を覗き込むと見えるのが復元された天井画三十六枚。架空の植物を組み合わせた「宝相華」という仏教的意匠の花文で、この塔でみられる宝相華は、古代からある柄をアレンジした珍しいものだそう。
椿山荘という名前からもわかるように、春に向けて満開になる椿も見どころ。庭園散歩をしていると年代物の灯籠や伊藤若冲の石碑も見つけることができます。
憧れのヨーロピアンエレガンス!ホテル椿山荘東京のスイートルーム
うっとりとしてしまうのは、庭の美しさだけはありません。創業当時から変わらぬ「ヨーロピアン・エレガンス」が基調の客室も、一見の価値ありです。
とくにスイートルームは、一度は泊まってみたい憧れの空間。
壁紙やカーテン、テーブルやなどの調度品が異国情緒を醸し出し、ガーデンビューの部屋の大きな窓からは、庭をはじめパノラミックな東京の景観をのぞめます。
スイートルーム宿泊者だけが利用できるエグゼクティブラウンジ「ル・シエル」
スイートルーム宿泊者だけが利用できるエグゼクティブラウンジ「ル・シエル」でくつろぐのも忘れずに。スイーツ、おつまみなどの軽食からアルコールまで、時間帯によって変わるメニューを滞在中、自由に楽しめます(営業時間は8時30分~20時30分)。
100周年を記念した持ち帰りスイーツも
ホテル内にあるショップ「セレクションズ」では、持ち帰りできるスイーツ「トロワキャラメルバナーヌショコラ」を期間限定で発売。チョコバナナブラウニー、キャラメルムース、クレームシャンティの3層からなり、雲海をイメージした見た目も可愛らしい!
さらに、赤い椿のパッケージが印象的な「デアバウムクーヘン」は公式オンラインストアでも購入が可能。ぜひ宿泊記念の土産にどうぞ。
ホテル椿山荘東京
住所:東京都文京区関口2-10-8
TEL:03-3943-1111
宿泊予約TEL:03-3943-0996
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