1日14品目の健康法を実践する、重松久惠さんの技あり冷蔵庫。
撮影・小川朋央 文・中嶋茉莉花
一日14品目の健康法を実践中! 食材管理は備蓄型。
「忙しい日々でも、健康的な食生活を送るため、冷蔵庫は相棒のような存在です」と語る、重松久惠さん。中には、「料理のベースとなるもの、栄養バランスを整えられるものを必ず備えている」という。「出張や旅行などで家を空けることが多く、こまめな買い物ができません。でも自宅で食事をとることを暮らしの基本にしたいし、いざ家で食べるとなれば、バランスよく調理したいんです」
栄養面を特に気にかけるようになったのには、母の存在があるという。
「よく言えばグルメ、美食家。栄養バランスなんてものはさておき、例えば『肉』と思ったら友人と誘い合い、牛を一頭買いしてしまうような一面のある人でした。そんな生活を送っていたからだと思うんですが、早くに体調を崩し、亡くなったんです。彼女の様子を見ていて、口に入れるものが自分の体を作るんだという意識を強く持つようになりました」
冷蔵室も冷凍室も、“事足りる感”満点。スーパーマーケットの主要な売り場にある、食材や調味料のいわゆる“スタメン”と、各種常備菜がずらり。
「フィジカルトレーナーのジェームス中野修一さんが推奨する『1日14品目食事法』をゆるく継続していて、それをベースに揃えています。穀類、肉類、魚介類、豆・豆製品、卵、牛乳・乳製品、緑黄色野菜、淡色野菜、キノコ類、イモ類、海藻類、果物類、油脂類、嗜好品の14品目を一日1回ずつ食べて、栄養バランスを整える食事法なので、たいていのものが必要なんです。我が家では梅干しやわかめ、納豆などは食べたい時に買うのではなくいつもあるもの。チーズやチョコレート、アイスクリームも同様です。常温で追熟して、食べる前に冷蔵室に移す果物以外は、長持ちさせるためにも、買ってきたらほとんどを冷蔵庫へ」
食材はどれも購入時のトレーやパッケージから出し、必要なものは下処理を済ませた上で、透明の容器や保存袋に入れ替え、定位置にしまう。
「袋や容器が揃うと、置き場を定めやすくなります。一日14品目を口にしようと思うと、冷蔵庫内のストックはローリングストックスタイルで管理するのが便利。食材の居場所が決まっていれば、それが簡単になります。『これはここ』という“いつもの場所”が空けば、次回の買い物で、その穴を埋めるものを買い足すだけ」
すぐに使いたい生肉や切り口から傷みやすい野菜だけは、保冷がより利くアルミ製容器に移し、冷気がたまる下段に置いておくそうだ。
「常備菜はどんな料理にも添えやすく、食卓が少し豪華になった感じのする、彩りがきれいなものを作るように。定番は、豆のサラダ、にんじんのレモンマリネ、蒸しカボチャかさつまいも、かぶ酢か浅漬け、青菜のおひたしあたりでしょうか」
何でも揃う冷蔵庫は想像力も刺激。
「旅先で出合ったひと皿の再現を試みたり、思い付きで創作したりしたくなります。食材が半端に余ったら、まとめて煮込んでスープに。14品目を気にかけつつも食卓が賑わいます」
パンやご飯のお供、おやつはいろいろあると幸せ。
目の高さの冷蔵室上段には〝忘れてはいけないもの“を。
パンのストックは常に数種類。買ったらすぐにカットして冷凍。
冷蔵庫を味方にして、調理や盛りつけの時間を削減。
冷凍室・上段手前にいつもある野菜4種。
『クロワッサン』1119号より