災害時の避難生活、命を守る衛生の基本と日々を清潔に過ごすためのアイデア。
撮影・幸喜ひかり イラストレーション・松栄舞子 構成&文・板倉みきこ
日々の衛生
毎日、清潔に心地よく過ごすためのアイデア。
辻さん曰く、体の清潔を保つことが、精神衛生上も良い効果をもたらす。
そこで衛生のジャンル別におすすめアイデアを紹介。自分のベストを見つけてほしい。
(フェイシャルケア)水を使わないやり方も日常で試しておこう。
いつも石鹼で洗っているのに、災害時にいきなり水が使えないとなると、精神的にもグンと落ち込む。そこで普段から拭き取り化粧水など、水を使わないケアの日を作ろう。洗顔しづらい状況下を考えると、仕上がりがさっぱりするタイプのほうが心地よくいられるかもしれない。
(トイレ)コストも抑えられる、ちょっと快適なトイレ。
一般に販売されている災害用携帯トイレは1個数百円。毎日数回も使う状況になったら、辻さんおすすめのペットシーツの代用案が経済的。便器を活用して、水を使わない簡易トイレを作る。ペットシーツ1枚で、成人男性の尿の量も充分吸収できるので安心。使用後は燃えるゴミに。
(暑さ対策)辻さんが実践済みの驚きの冷却方法も。
暑さ対策にはハンディファンが便利だが、電源をどう確保するかも考えておくこと。また、更年期だとほてりも気になるところ。生理用ナプキンなどに含まれる高分子ポリマーは、水に浸けると冷える性質があるので、水に浸したナプキンをレジ袋などに入れれば、冷却用に使える。
災害時にも役立つ機能かを重視。
(体を清潔に)全身さっぱりさせて、ニオイも拭き取る。
入浴できない時は拭き取りシートが役立つが、毎日使うものなので、アルコールフリーで肌に優しいものがいい。辻さんのおすすめは赤ちゃんのおしり拭き。ただ、保湿成分たっぷりタイプはベタつくので、常用向きではない。特にニオイの気になる場所は、重点的に拭き取ること。
天然ハッカの爽快感と香りの力でスッキリを維持。
食用のハッカ油を使用。辻さんは、シートにほんの少しスプレーして、顔やフェムゾーン以外の体を拭いている。
99%の成分が純水のおしり拭きは大人も使える。
辻さんは体拭きに愛用。成分の99%が不純物を取り除いた純水。
防臭&保湿を叶える、天然由来のアミノ酸ミスト。
アミノ酸が主成分のボディミスト。フェムゾーンにも使える。
(洗濯)有限の水を節水できる、手動の洗濯がおすすめ。
大量の水が必要となる洗濯は、極力回数を減らす。防臭スプレーを活用し、ショーツにおりものシートを貼ってしのぎ、少量の水で済む洗濯方法を取り入れる。辻さんのおすすめは、ゴミ袋を使った方法。川の水や井戸水は、地震の影響で汚れている可能性が高いので使わないこと。
香りでごまかさず、バイオの力で安全に消臭。
善玉活性水から生まれた天然成分100%の消臭液。無香。素材を傷めないので衣類以外にも使え、子どもやペットにも安心。
すすぎゼロの洗剤で、洗濯時に使う水を節約。
100%植物由来の洗浄成分。汚れを再付着させない再付着防止剤の力ですすぎゼロを実現。
(洗髪)好きな香りと質感を、見極めておこう。
フェイシャルケア同様、髪が洗えない日々が続くと気分が滅入るので、平時からドライシャンプーで済ます日をつくって慣れておこう。また災害時に初めて使うと、たとえ香りや使用後の質感が気に入らなくても、水で流せずストレスが増す。好みの品を吟味しておくといい。
ウェット手袋を使って、マッサージ感覚の洗髪を。
使いやすい手袋型。頭皮マッサージにも活躍。5年保存可能で備蓄に便利。
天然精油の香りをまとい、ベタつく頭皮もケア。
頭皮を中心にスプレーするだけで髪と頭皮をリフレッシュ。天然由来のメントール配合。
普段使っているものと、同じ感覚で使える1本。
人気のシャンプーにドライシャンプー版が登場。好みの香りで心穏やか。
(フェムケア)忘れずにケアしたい、かゆみやニオイの悩み。
もともと蒸れやすいフェムゾーンが洗えないと、かゆみやニオイが気になってくる。細菌が尿道から入って、膀胱炎になる可能性も。そこで、入浴できなくともフェムゾーンの清潔を保つアイテムは備えておきたい。また、蒸れにくく心地よい素材のショーツも用意しておくと安心。
英国発の専用ローションで保湿しつつ皮膚を守る。
ストレスでも乱れるフェムゾーンの㏗バランスを整え、痛みやかゆみから皮膚を守る。
ムレや汚れが気になる時、シートでさっとひと拭き。
オーガニックコットンに天然植物成分をたっぷり配合。
柿の皮の力に着目し開発。ひと拭きで気分爽快。
ローズマリーと柿果皮の芳香蒸留水のみ使用。スッキリ系の香り。ムレや不快感、ニオイ対策に。
『クロワッサン』1124号より