くらし

【断水編】防災アドバイザーに教わる最新、防災アイテムリスト。

大規模災害が発生すれば、電気やガス、水道といったライフラインが寸断され、復旧まで時間がかかることに。慌てないよう自宅の備えを充実させておこう。防災アドバイザーの高荷智也さんがアドバイス。
  • 撮影・津留崎徹花、黒川ひろみ、中村ナリコ イラストレーション・中島陽子 スタイリング・白男川清美 文・一澤ひらり

常日頃から水を充分に貯え、確保する。これがまさに生命線になる。

「飲料水は常備できても生活用水の用意が必要です。心配なら水に代わる機能を他の方法で考えましょう。トイレが流せない時は非常用トイレ、入浴できない時は赤ちゃんのおしり拭き、発想を切り替えるんです」

水に次いで命を守るものは火。湯が沸かせて料理も作れるガスカセットコンロは大きな助けになる。

「火の準備は非常に重要です。温かい飲み物、食事。これさえあれば身も心もホッと落ち着きますからね」

大地震はいつでもどこでも生じる、待ったなしの災害。近年増加している局地的豪雨や台風による水害の被害も甚大になってきている。

「ライフラインが止まった時、冷静に対処するためには家での備えが大切です。最低3日間、できれば1週間は生活できるようにしてください」

家族3人なら1日9L。7日で63L(2Lペットボトル約31本)の備蓄が必要。

【断水】

水は命の綱。飲料水ばかりではなく、生活用水の代替品も備えておこう。

〈 飲料水 〉

ペットボトル

飲料水や食事などに必要な水は1日大人1人3L、3日間で9L目安といわれている。最低3日分、できれば1週間分を家族分用意しよう。「大量ですが、ネットの定期便などを利用してローリングストックをしたり、ウォーターサーバーの導入も方法です」(高荷さん)

給水バッグ

ウォーターバッグ 5リットルタイプ 1,400円(岩谷マテリアル https://www.imcjpn.co.jp/)

災害時給水ステーションや給水車で水が提供されることを考え、運べる手段を持っておく。折りたためるポリタンク、非常用給水袋などを備えておきたい。

〈 入浴できない 〉

水が使えないときは、ボディシートなどで体を拭けば気分もスッキリする。

体拭き・洗髪

お風呂に入れないときは体を拭いてさっぱりと。清潔をなるべく保ちたい。「大人用の体拭きだけでなく、赤ちゃんのおしり拭きは大判でノンアルコール、肌に優しいので敏感肌の人にもおススメです。洗髪できないときはドライシャンプーを使いましょう」

〈 歯が磨けない 〉

歯みがきシート・マウスウォッシュ

非常時に口中の清潔が保てないと感染症を招きやすい。水なしでもオーラルケアができる「歯みがきシート」や「口腔ケア用ウエットティッシュ」を備えよう。シートを指に巻き付けて歯の汚れを拭い取ることができる。マウスウォッシュを使えば効果的。

〈 衛生対策 〉

マスク・消毒液

断水によって体の衛生を保つのが難しくなるため、免疫力も落ちて、インフルエンザなど感染症にかかりやすくなる。「コロナ対策も含めて、手指の消毒剤やマスクなどは、日ごろから欠かさないようにしておきたいですね」

ウエットティッシュ

水が使えないときはウエットティッシュで清潔を保つ。「除菌効果の高いアルコールタイプと肌に刺激のないノンアルコールタイプの2つを用意して、用途に合わせて使い分けるのが賢明です。今はノンアルコールでも除菌効果に優れたものもあります」

〈 トイレが流せない 〉

非常用トイレ

BOS非常用臭わないトイレセット 50回分 4,400円※編集部調べ(クリロン化成 TEL.06・6327・8188)

大地震で排管が損傷した場合、トイレを使うと汚水であふれたり、逆流するので、その危険性があるときは水は流せない。非常用トイレを備えておく。

高荷智也

高荷智也 さん (たかに・ともや)

備え・防災アドバイザー

災害に関するアドバイスを行う「ソナエルワークス」代表。家庭の防災から企業のリスク管理まで"備え"をテーマに幅広く提言。

『クロワッサン』1076号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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