くらし

乗り捨てできるシェアサイクルで、新しい自由を感じて。

いつか始めたいと思いながらなかなか始められない趣味。
いまこそ、挑戦してみませんか。今までとは違う、新しい自分に出会えるはずです。
  • 撮影・三東サイ 文・長谷川未緒

“乗り捨てできる自転車で、 出かける楽しみが増えました。”

シェアサイクルは一定のエリア内に複数置かれたシェアサイクルポート(自転車の貸出・返却拠点)で、自転車を借りたり返したりできるサービス。レンタサイクルと違い、借りた場所に返さなくてすみ、移動手段として近頃人気だ。

校正者の牟田都子さんは一昨年、出張先の福岡市内で利用して以来、このサービスを愛用している。

シェアサイクルはスマホアプリや専用サイトから個人情報や決済方法等を事前に登録して利用する。

「福岡市内は見どころがコンパクトにまとまっていて、自転車で回るのにちょうどいいと勧められたんです。たまたま仕事で安達茉莉子さんの『臆病者の自転車生活』を読んだばかりで、自転車いいなぁと思っていたことも、利用の後押しとなりました」

いざ井の頭公園へ。

自転車は歩くのとも走るのとも違うスピード感で、考えごとにドライブがかかる感覚があり、エッセイのアイデアを思いつくことも。道に迷っても、自転車ならすぐ引き返せるし「距離を稼げた。運動になった」と前向きに捉えられるという。

自転車を返そうと思ったシェアサイクルポートがいっぱいのときは別の場所まで行かなければならないが、アプリで確認でき、分単位で空いたり埋まったりするため長時間待つことはない。

とはいえ仕事など時間の約束をしているときは使いづらいため、利用するのはもっぱら休日か旅先だ。

自宅から自転車で10分ほどのカフェ『ANPU』は、休日の憩いの場。チーズケーキとコーヒーがお気に入りだ。

「若い頃はギャラリーや書店、雑貨店など気になるスポットを一日に何軒も回りました。それが年齢を重ね、マメにできなくなっていてさみしかったのですが、シェアサイクルのおかげでまたいくつも回れるように。知らない道を通って行きたいところに気軽に行けることで、新しい自由を感じています」

牟田都子

牟田都子 さん (むた・さとこ)

校正者

出版社の校閲部勤務を経て、フリーランスに。書評やエッセイの執筆も行う。著書に『文にあたる』(亜紀書房)、共著に『本を贈る』(三輪舎)ほか。

『クロワッサン』1114号より

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