正月の花びら餅に桜餅、6月晦日の水無月……。暮らしに溶け込むように和菓子がある京都には、茶席の菓子を扱う上菓子屋さんも、お饅頭や豆餅を作るおまん屋さんもたくさん。老舗も多く、江戸期から続く銘菓、名物は珍しくなく、土産を選ぶのに困るほど。
ただ、あんみつは東の文化ゆえか。甘味処は思いのほか少なく、あっても行列覚悟だったり、和カフェ風だったり。そこで、あんこでひと息つきたい時に選ぶのが、老舗和菓子店にある茶寮や茶店。長く続く銘菓があるのは、あんこの味が確かな証拠。設えも京都らしく、落ち着いている。土産とて店構えを知って買うと気持ちが違います。