くらし

夫婦でお金情報をシェアすることで、将来への不安を減らす。

お金に振り回されず、前向きに付き合うための秘訣とは?
日を自分らしく豊かに過ごす青木美詠子さんに聞きました。
  • 撮影・黒川ひろみ 文・嶌 陽子

夫婦でお金について情報共有、見通しを立てることで不安解消。

文筆家 青木美詠子さん (60歳)

「ずっと苦手だった」というお金の話に、青木美詠子さんが初めてきちんと向き合ったのは9年前。50代で家づくりを考えた時だった。

「それまではどんぶり勘定で夫婦別財布でしたが、ローンを組むために初めてお互いの貯金や収入を開示し、年金や保険についても調べたんです」

「家族で1ユニット」と考え、現状や見通しを夫婦で確認する「お金会議」を数年に一度開くほか、お金に関するさまざまな情報をシェアするように。年金事務所に相談に行くなど、少しずつ学びながら疑問をクリアにしていくうち、将来への不安も減ってきた。

「お金のことは、自分から情報をとりにいかないと誰も教えてくれない世界だと、この9年間で実感。時間も手間もかかりますが、知識が安心を生み、身を守るのだと感じています」

2〜3年に一度、お金会議を開く。

今後の収入や住宅ローン、年金、NISAやiDeCoといった積立金の状況を確認。「前回の会議で立てた見込みを元に、進捗を把握します。現状を明確にすることで、漠然としていたものがクリアになり、対策も立てられます」

夫婦の今後15年間の収入見込みを記した表。定年後の国民年金や厚生年金など、何歳で大体いくら入るかがわかる。

年金事務所に行き、不安や疑問を 解消する。

夫婦で加入期間や遺族年金についての疑問を相談。青木さんの場合は厚生年金の繰り下げ受給はしないほうが加給年金を受け取れることもわかった。「年金のことはネットで調べるより直接聞くほうがいいと実感。基礎知識を入れてから行くと効率よく相談できます」

雑誌や新聞、ネットの情報をシェアする。

お金に関する有益な情報を見つけたら夫婦で共有。「夫婦間でお金に関する知識の格差をなくせば、今後のことを一緒に考え、納得の上で決断できます」。最初は難しく感じていた情報も、常に触れていると徐々に理解できるように。

一人になった時の生活費をシミュレーションする。

夫に先立たれた場合のことを考え、一人になった時の生活費を予想することに。「今引き落とされている税金や光熱費などを元に支出を想定してみます。具体的な数字を出すことで、漠然とした不安が少しは小さくなると思います」

今の生活費を参考にした、一人暮らしの1カ月の支出予想。「あくまでたたき台です。これを元に考えていきたい」

遺言書をつくる。

夫婦に子どもがいない場合、夫の遺産の一部は妻以外に兄弟姉妹にも相続されると知った青木さん。今の家でずっと安心して暮らせるよう、遺産トラブルを防ぐために本を参考に遺言書を夫婦で作成、法務局に預けた。「安心が一つ増えました」

健康維持に投資する。

「健康が一番の土台。元気なら老後の医療費もかかりませんから」。長年続けている靴下の重ね履きなどの冷えとり対策を習慣に。昨年から始めたテニスは、「毎回汗だくになってすっきり。以前より体力がつき、疲れにくくなりました」。

青木美詠子

青木美詠子 さん (あおき・みえこ)

文筆家

整理収納アドバイザー1級。不定期で自宅でセミナーも行う。長年実践している冷えとりに関する著書も。インスタグラム@aokimieko1616。

『クロワッサン』1111号より

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