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何歳でもらうかで変わる年金額、タイミングはどうすべき?

会社勤めをする誰にも、やがて訪れる定年という一大事。
年金について、知らないと大損する可能性も!?
マネージャーナリストで弁護士の板倉京さんに教わります。

イラストレーション・SANDER STUDIO 文・石飛カノ

申請しないともらえない、複雑な年金制度を理解しよう。

Q.年金をもらうタイミングともらえるお金の関係は?

A.早めにもらって元気なうちに使い切るか、長生きしてより多い金額を手にするか。

年金を受け取れるのは原則65歳からです。ただ、60〜75歳の間で受け取り始めるタイミングを自由に選ぶことができます。65歳より早く受け取る「繰り上げ受給」は年金額が減り、65歳より遅く受け取る「繰り下げ受給」では年金額が増えます(下記参照)。

男女合わせていろいろな職種の人の平均の年金支給額は月額16万円程度といわれています。実際に自分がいくらもらえるかは、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」やそこにアクセス方法が記載されている「ねんきんネット」で見込み金額が確認できます。

平均の月額16万円で考えると、65歳から年金をもらうのと70歳からもらうのとでは81歳までは早くもらったほうがトータルの年金支給額が多い。でもそれ以降は70歳からもらうほうが1年間で約80万円ずつ得になります。

90歳まで生きて800万円得をしたいのか、80歳になる前に死ぬかもしれないから早くからもらって元気なうちにお金を使いたいのか、そういうことを考える必要があります。いつから年金をもらったらいいのかは、その人のライフスタイルや健康状態などによって異なってくるのです。

何歳でもらうかで変わる年金額、タイミングはどうすべき?

●何歳でもらうかで、年金額はこんなに違う!

平均の年金額16万円を65歳からもらった場合は増減率は0%。60歳に繰り上げた場合は−24%、75歳に繰り下げた場合は+84%!
平均の年金額16万円を65歳からもらった場合は増減率は0%。60歳に繰り上げた場合は−24%、75歳に繰り下げた場合は+84%!
  • 板倉 京

    板倉 京 さん (いたくら・みやこ)

    マネージャーナリスト、税理士

    ウーマン・タックス代表。大手会計事務所、財産コンサルティング会社勤務などを経て税理士事務所を開業。『定年前後のお金の正解』など著書多数。

『クロワッサン』1111号より

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