築100年の京町家に、夫と2人の子どもと暮らす美濃羽まゆみさん。服のデザインや製作、ハンドメイド教室の講師、さらには3年前に始めたフリースクールの運営など、忙しくも充実した日々を送っている。風通しのよい家に並ぶのは、自らつくったさまざまな保存食や日用品だ。
「節約のためというわけではなく、手を動かして何かをつくるのが好き。自分好みのものにできるのも魅力です。必要なものがあっても買わずに何かで代用できないか考えたり、ひとつで何通りにも使えるものを選ぶようにしています。町家は作り付けの収納が少ないので、置く場所がないんです」
楽しみながら手を動かし、暮らしを整えるうちに、気づけば使うお金も以前よりかなり減った。それ以上に大きかったのは気持ちの変化だと語る。
「自分の手で何かをつくることで、ものを見る目も養われて、いいお金の使い方ができる。お金に頼りすぎないいい距離感が、心の余裕にもつながります。いざとなっても何とかやっていける、そんな安心感を持てるんです」