新NISAで何をどう買う? プロに聞く、タイプ別活用アドバイス。
積み立て投資の意味がわかれば、もう怖くありません。
イラストレーション・とつかみさこ 構成&文・黒澤 彩
話題の新NISAを無理なく使おう!
これから投資を始める人も、経験がある人も、今年スタートした新NISAを活用しない手はない。期間は無期限、最大1800万円まで投資でき、その運用益が非課税になる。
「これをきっかけに投資に興味を持った人もいるのはないでしょうか。利益が非課税になるのは、たしかに大きなメリットです。ただ、説明してきたようにリンゴの木を植えて実がなるまでには時間がかかります。7〜8年くらいは別に何もいいことがありません。NISAを始めたらすぐに儲かるかのように錯覚しないでくださいね」
新NISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠に分かれていて、それぞれに投資できる上限額が設定されている。よく、この2枠は「併用可」と表記されているのだが、これには注意が必要だという。
「まるで、2つの異なる枠組みがあって、それぞれの枠で別の投資をしなければいけないような印象を持ちますよね。でも、そうではないんです。積み立てる投資だけで年間360万円、計1800万円を埋めることができます(下表参照)」
●おさらいしよう! 新NISAでできること。
・投資で得た利益が非課税になる。
・1800万円(年360万円まで)投資できる。
・期間は無期限なので何十年でも運用できる。
・いつでも売却できる。
・売却した分の枠が復活してまた使える。(ただし元本相当額のみ)
●新NISAの2つの枠に惑わされない。
つみたて投資枠で買えるものはすべて、成長投資枠でも買える。資金に余裕がある場合は、つみたて投資枠を使い切ったうえで成長投資枠でも同じものを同じように買っていけばいい。買う商品は、インデックスファンドだ。
「銘柄を選ぶのではなく、市場を丸ごと買えるのがインデックスファンドです。市場は日本だけではなく世界にありますから、世界の市場に投資するタイプのファンドなら、より分散した投資ができることになりますね」
投資信託にはインデックスファンドのほかにアクティブファンドというものもある。その違いは?
「インデックスファンドが選ばない投資なのに対し、アクティブファンドは選ぶ投資。プロが銘柄を選んで運用してくれるもので、インデックスより好成績を目指す分、リスクが大きく、手数料も高く設定されています。まぁ、ロマンはあるかもしれませんが、私たちは暮らしを守るために投資するのですから、ドキドキワクワクしなくてもいいのです。地味で退屈なインデックス投資を続けていきましょう」
また、いくつものファンドを組み合わせて買うこともできるが、管理が煩しくなるだけなのでおすすめしないとのこと。自分のリスク許容度によって、以下の2つのようなタイプから選ぼう。
バランスのとれたインデックスファンド。
全世界の株式を幅広く。
●eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
株式と債券を半分ずつ。
●〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
広告