くらし

忙しい朝でもさっと作れて持ち歩ける、体を温める薬膳スープのレシピ。

体を温めて巡らせるスープのレシピを、料理家で国際中医薬膳師の齋藤菜々子さんに教わります。
  • 撮影・小川朋央

「薬膳の考えかたでは、食べ物は体を温める温熱性と、逆に冷やす寒涼性、どちらでもない平性に分けることができます」と、料理家で国際中医薬膳師の齋藤菜々子さん。この季節に温熱性の食材を組み合わせたスープを持ち歩くことはとても理に適っている、と語る。

「体を中から温めるのがよいことなのはもちろんですが、乾燥しやすい季節に常に喉を潤すことで体の抵抗力が増します」

ここでは薬膳の理論のもと、身近な材料で手早く作れて温活効果ばつぐんの温かいスープのレシピを紹介。日々の外出のおともにして、芯から温まろう。

素材から味が出てダシいらず。朝忙しいときもさっと作れます。

鶏肉と卵のねぎ塩とろみスープ

片栗粉は分量の水にあらかじめ溶かしておき、そのまま加える。

「鶏・豚・牛のメジャーな肉のなかで、唯一温熱性なのは鶏肉。冷えやすい人で何の肉を食べるか迷ったときは鶏を選びましょう」。ねぎの白いところは即効性のある温め効果が。

【材料(1人分)】
鶏ささみ 1本(60g)
塩 少々
片栗粉 小さじ1/2
長ねぎ 1/2本
にんにく 1/2かけ
卵 1/2個
A[水200ml 塩小さじ1/4 片栗粉小さじ1/2]
粗びき黒こしょう 適量
ごま油 小さじ1

【作り方】
1.長ねぎは縦半分に切り5mm幅に切る。にんにくはみじん切り。ささみは筋を除いて一口大の削ぎ切りにし、塩をふって片栗粉をまぶす。Aは合わせ混ぜ、卵は溶いておく。
2.鍋にごま油、にんにくを合わせて中火で熱し、香りが出てきたらささみを加えて炒める。ささみの色が変わったらAをよく混ぜてから加え、混ぜながら煮立てる。とろみがついたら弱めの中火で2分煮る。
3.強めの中火で煮立て、溶き卵を回し入れる。ねぎを加えてさっと煮立て、粗びき黒こしょうで味を調える。

鮭とかぼちゃの辛みそスープ

冬に甘みを増すかぼちゃは、ビタミン豊富な温活食材。「鮭も同じく温熱性。買いやすい甘塩鮭を使えば臭み取りの手間もなく、程よい塩気が出るので味も決まりやすいです」

【材料(1人分)】
塩鮭(甘塩)1切れ(70g)
かぼちゃ 80g(正味70g)
細ねぎ 1本(20g)
豆板醤 小さじ1/3
A[水 200ml みそ 小さじ1と1/2]
ごま油 小さじ1

【作り方】
1.かぼちゃは種とわたを除き1cm厚さの食べやすい大きさに切る。細ねぎは4㎝長さに切る。塩鮭は皮と骨をのぞき3cm大に切る。
2.鍋にごま油と豆板醤を中火で熱し、鮭を加えて炒める。鮭の色が変わったらA、かぼちゃを加え、煮立ったら弱めの中火で2分煮る。
3.細ねぎを加えてさらに1〜2分、かぼちゃがやわらかくなるまで煮る。

ベーコンと玉ねぎ、 きのこのしょうがミルクスープ

旨みの出るベーコンを使えばコンソメ不要。「まいたけは、きのこ類のなかで唯一の温熱性。積極的に使いましょう」。しょうがとミルクは風味がよく合うのでおすすめ。

【材料(1人分)】
ベーコン 1枚
玉ねぎ 1/4個
まいたけ 1/2株(60g)
しょうが 1かけ
A[水 100ml 牛乳 100ml しょうゆ 小さじ1/2  塩 ふたつまみ]
オリーブオイル 小さじ1

【作り方】
1.玉ねぎは1cm幅に切る。まいたけはほぐす。しょうがは千切りにする。ベーコンは1cm幅に切る。
2.鍋にオリーブオイルを中火で熱し、ベーコン、玉ねぎ、まいたけ、しょうがを加えて玉ねぎがきつね色になるまで炒める。
3.Aを加えて沸騰直前まで温める。

齋藤菜々子

齋藤菜々子 さん (さいとう・ななこ)

料理家、国際中医薬膳師

「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、身近な食材のみを使った作りやすいレシピを提案。著書に『基本調味料で作る体にいいスープ』(主婦と生活社)など。

『クロワッサン』1106号より

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