100円ショップで買える、防災の優秀アイテム10。
実際にそこへ赴いて防災のプロが選ぶものとは? ぜひ参考に。
撮影・黒川ひろみ イラストレーション・山口正児 構成&文・堀越和幸
専門家の目線で探す、100円から始める防災のための優秀アイテム。
100円ショップではさまざまな防災グッズを探すことができる。
「対策をまったくしてないという人は、まずは専用のコーナーなどを一度訪れてみるといいと思います」(NPO法人ママプラグ理事・冨川万美さん)
どんな商品があるのか? それがわかるだけで、意識が高まる。
「その上で自分の今の生活を見渡してみて、どこが危ないのか、あるいは何が足りないかを考えてみましょう」
暮らし全体を一気に防災にシフトするというのではなく、手をつけるべきところから手をつける。
「0か100ではなく、0.1でも0.2でもいいから始める、という精神が防災には大切です。すると次が見えてくる」
100円で耐震マットを買ったら、次に衛生や食料のことを考えたり……。「ただ、直接肌に触れるものや口に入れるものは安いものではなく、ドラッグストアを私はおすすめしています」
これまでにもいろいろ試してきた冨川さんが、現地で手に取ったものは?
簡易保温アルミポンチョ
「断熱タイプのアルミシートはよく見かけますが、これはポンチョ型なのが便利」(冨川さん)。さっとかぶれて、寒い避難場所ではインナー代わりにもなる。
キッチンバサミ
「災害時には包丁よりも断然キッチンバサミがお勧めです」。理由はまな板なしで使え、洗い物をせずに済むから。こちらは、殻割りと栓抜きの機能がついた3wayタイプ。
消臭サニタリーバッグ(30枚入)
「中が見えないポリ袋は、サニタリー関連や紙おむつなどの処理に重宝します」。消臭剤入りでにおいがもれにくく、使った後に結びやすい取っ手付きがありがたい。
緊急用給水バッグ(3L)
「給水用のバッグは持ち手が付いていること、水を入れた際に自立することが大切」と、さまざまな給水バッグを試してきた冨川さんの感想。ちなみに備蓄で必要な水は1人1日3Lが目安。
メスティン(ハンドル付き)
メスティンとは飯ごうのこと。「お米だけでなく、煮込みや炒め物にも使えます」。別売りのメスティン折り(中に敷くシート)を使うと後片づけも楽に。
まな板シート(抗菌剤入)
「災害時に水が使えない場合、使い捨て商品が便利」。まな板の上に敷いて、使ったらあとは捨てるだけ。シートに厚みがあるので、切ったものを運ぶのにもいい。
圧縮バッグ
旅行用に作られた収納バッグをいざという時に有効活用。「収納部が2つあって、衣類を詰めたらファスナーを閉めて圧縮します」。使用前、使用済みのものと仕分けて使っても便利。
発泡ゴム背抜き手袋
「ゴムの滑り止めが付いているので、災害時に重い荷物や壊れものを運んだりする際に、通常の軍手よりはるかに安全に行えます」。家族の人数分を用意して備えよう。
ソーラーライト ガラス瓶(ブラウン)
蓋にソーラーパネルが装着されていて、日中に太陽光を浴びさせると、夜に瓶の中のLEDライトが灯りランタンになる。「ベランダなど、普段使いで飾っていてもいいですね」。
インスタントコンロ
マッチやライターで簡単に火がつく着火剤付きで1時間の焼き物料理ができる炭コンロ。「有事の際に温かい調理ができると気持ちがリラックスできます」。使い捨て。
[いざという時に役立つ知恵]ちょっとした雨風には、ゴミ袋が大活躍。
家にストックのあるもので、いざという時にこんな使い方ができるというミニ知識をここでは紹介。まずは家庭用のゴミ袋。「イラストのように穴を開けると、ポンチョとしてかぶることができます」(冨川さん)。試してみるとわかるがこれが案外暖かい。ライフラインが途絶えた寒い季節の急場しのぎに、ぜひ覚えておきたい。
●店舗によって品揃えが異なり、在庫がない場合があります。
『クロワッサン』1100号より