コロナ禍がきっかけ。ステイホームでベランダの植物を育てる楽しさに目覚めた、というのは住吉美紀さん。
「土に触って植え替えとか剪定とかしていると、あっという間に時間が経ってしまって心和むことに気づいたんです。私は小学生時代、自然豊かな北米のシアトルで過ごしたので、花や緑が大好きでした。でも働き出してからは多忙で、買ってきた植物を枯らすようなことをしていたんですね。それが家に籠る生活になって、緑を増やす楽しみにどんどんハマっていきました」
日本で未知の感染症が深刻な問題になってきたのは3年前の春先ごろ。と同時にこの時季は、植物を植えて育て始めるには最適のタイミングで、ガーデニングを始めたら一気に緑の数が増えたそう。
折しも夫の経営するレストランがオープンし、開店祝いに贈られた山野草の寄せ植えやハーブなども加わり、手をかけながら多種多様な植物の成長を見守るのが一層大きな楽しみになった。
「うちに来た子たちがベランダで毎日すくすく育っていくのがすごくうれしくて。昨日より葉がグンと伸びてるとか、蕾が開いてきたとか、その成長ぶりに目をみはるばかり。今年も5月から梅雨時にかけて種を植えたり、挿し木をするベランダ実験室になりますね」
この子、あの子。住吉さんは日々世話をする木々や草花をそう呼ぶ。まさにわが子に接するような、植物に対する深い愛情が伝わってくる。