ここは都内のマンションの最上階。黒田益朗さんは25年前から、緑豊かなベランダガーデンを作ってきた。
「猫たちが自由に遊び回れる庭がほしくてここに引っ越したんです。とはいえ古い建物なので、かなり軽量化した土を使って、全部鉢植えで育てています。何もないところから始めて、植物はいま数十から100種類ぐらい。雑草もほとんど抜かないからもっとかな。鳥の糞から芽吹いたナンテンや紅葉なんかもあるしね」
と大らかに笑う黒田さん。鉢植えは寄せ植えが基本で、自然のあるがままに逆らわないナチュラルガーデン。出発点はミモザとオリーブの木だった。
「谷中の朝倉彫塑館の屋上庭園に美しいオリーブの古木があって、こんなビルの上でも育つのかと驚きました。しかも、土が思いのほか少ない。それで植えてみようと思ったんですよね」