くらし

下処理と塩使いで差が出る!サバの塩焼きのレシピ。

スーパーで買った切り身魚が、ウエカツ水産代表の上田勝彦さん流調理テクで魔法のようなおいしさに! 水で洗って、すぐに拭く。これだけで違います。
  • 撮影・三東サイ スタイリング・矢口紀子 文・田村幸子

サバの塩焼き

下処理と塩使いで、極上の塩焼きができる。

「ぼくが一番好きな魚」と上田さん。二段塩をして、1:7:2の法則で。まず皮を1割、次に身を7割、最後にまた皮を2割焼くと、皮目は香ばしくて身はふっくら。

【材料(1人分)】
真サバ半身 1切れ
舞茸 適量
ししとう 適量
塩 適量

【作り方】
1.下処理をした真サバの皮面に浅く包丁目を入れる。皮面と腹面に「さわり塩」をする。塩粒が溶けたら「はじき塩」をする。
※下処理並びに「さわり塩」「はじき塩」については記事下を参照
2.ししとうはへたを取り、竹串などで1カ所穴をあける。舞茸に「はじき塩」をする。
3.魚焼きグリルを中火にして真サバを皮面から焼く。表面が乾燥し切り目が開いたらひっくり返し、舞茸とししとうを真サバの周りに置いて一緒に焼く。
4.腹面がおいしそうに焼けたら、再度ひっくり返す。
5.皮面がこんがり焼けたら野菜類と共に火から下ろし、一緒に皿に盛りつける。

調理のポイント

1.中火で皮面から1割焼く。表面の切り目が開いたら裏返す。
2.腹面を7割焼いたら、もう一度裏返して、最後に2割火を通す。

ウエカツ流、魚の調理技術

買い物から帰ると、切り身魚を冷蔵庫に直行させていないだろうか。

「冷蔵庫に入れる前に、表面を流水で3秒洗って素早く水気を拭き、汚れを取ります。ペーパーとラップで包んでおけばくさみも出ず、数日冷蔵庫で持ちます」と上田勝彦さん。

ウエカツ流の調理技術は、買ってきたらすぐ表面を洗い、しっかり水気を取る下処理に始まる。味つけは、「芯部まで味を浸透させる〝さわり塩〟と、仕上げの〝はじき塩〟を合わせた、二段塩を試してください」。

魚の個性に合わせて、焼く、煮る、揚げる、蒸すの調理法を選ぶ。皮目をパリッとさせる焼き方や揚げ衣の工夫など、上田さんならではの知識と経験に裏付けられた技の一部を公開します。

基本の下処理

1.【表面を流水で3秒洗う。】表面のぬめりや血を取りながら3秒洗う。骨つきの魚は歯ブラシを使う。
2.【素早く水を切る】魚を振って水気を切り、吸水布で押さえるように水分と血液を取り除く。
洗車の仕上げ用の布が水分の拭き取りに最適。洗えば何度でも使える。
3.【キッチンペーパーで包む】キッチンペーパーで切り身をしっかり包み、水分を吸わせる。
4.【ラップで包む】空気にふれると雑菌が繁殖しやすいので、空気を逃がすように包む。
5.【この状態で冷蔵庫へ】調理するまで冷蔵庫で休ませる。下処理すれば数日は日持ちする。
6.【蓋付きのアルミ製密閉容器が便利】冷蔵庫内ですぐ冷えるアルミ製容器は便利。表面をペーパータオルで覆う。

二段塩のテクニック

1.[さわり塩]【すり込まず、さわる】手を湿らせて塩をつけ、まんべんなくさわる。すり込んではダメ。
塩の分量は、手のひらと指の腹がうっすら白くなるくらいが目安。
2.[さわり塩]【塩粒が溶けるのを待つ】身から水分がにじみ出るが、下処理をしてあるので拭かなくていい。
3.[はじき塩]【爪先で塩をはじく】塩ひとつまみを爪先ではじくように振りかけると、塩が均一に行き渡る。
上田勝彦

上田勝彦 さん (うえだ・かつひこ)

ウエカツ水産代表

長崎大学水産学部在学中に漁師として働き、卒業後は水産庁入庁。2015年に独立。著書『ウエカツの目からウロコの魚料理』がベストセラー。

『クロワッサン』1081号より

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