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江戸切子、どぜうなべ、舟遊び…粋で美味、江戸文化に触れる東京の秋。

東京の面白さは、江戸時代の風情が残る場所が数多くあること。江戸文化の奥深さを体感して、束の間のタイムスリップを。

撮影・岩本慶三 文・小沢緑子

【江戸っ子が愛したもの、活気溢れる町の様子にも思いを馳せる。】

江戸化粧[表参道]紅ミュージアム

小町紅の化粧体験〈紅点し〉。重ねる紅の量や溶く水の量、点す人の唇の色によっても発色が変わる。
小町紅の化粧体験〈紅点し〉。重ねる紅の量や溶く水の量、点す人の唇の色によっても発色が変わる。

●江戸の女性を美しく彩った〝紅〞。玉虫色から変化する、紅点しも体験。

今に残る〝最後の紅屋〞である『伊勢半本店』。文政8年(1825年)の創業で、秘伝の製法で作り出した玉虫色に輝く紅は、江戸の町で評判になったと伝えられる。その紅作りの技や歴史などを紹介。変わらぬ製法で作る口紅・小町紅の試しづけもできる。紅の奥ゆかしい色合いを楽しんで。

常設展では、紅と化粧の文化や歴史などを紹介。
常設展では、紅と化粧の文化や歴史などを紹介。
江戸時代後期に使われていた化粧道具。
江戸時代後期に使われていた化粧道具。

東京都港区南青山6・6・20 K’s南青山ビル1F 
TEL.03・5467・3735
営業時間:10時〜17時(入館16時30分まで)
日・月曜休(企画展開催中は日曜開館。10月18日〜12月11日 『ちぃさい、ちっこい、ちっちゃ!』開催) 入場無料(企画展は有料)。小町紅はミュージアムショップで購入可。

船遊び[日本橋]日本橋クルーズ(R)

江戸の町の中心だった日本橋から出発し、数々の名橋をくぐりながらクルージング。船は揺れの少ない専用高性能船。
江戸の町の中心だった日本橋から出発し、数々の名橋をくぐりながらクルージング。船は揺れの少ない専用高性能船。

●開放感溢れるオープン船で、水の都・江戸の風景を巡る。

江戸時代に発達した水路により〝水の都〞ともいわれる東京。日本橋から船に乗り、江戸の面影や進化する東京の水辺の風景も満喫できるのが「日本橋クルーズ(R)」。おすすめは、江戸城石垣、御茶ノ水渓谷などが眺められる、日本橋川と神田川を巡る〈神田川クルーズʀ〉。ガイドの案内も好評。

清洲橋越しに見える東京スカイツリーの風景。
清洲橋越しに見える東京スカイツリーの風景。
江戸城外堀の石垣も水上から眺められる。
江戸城外堀の石垣も水上から眺められる。

東京都中央区日本橋1・9先
日本橋たもとの「日本橋船着場」発着 
問い合わせ:東京湾クルージング
TEL.03・5679・7311 
毎月20日に運航予定を更新 不定休 全6コースがあり、〈神田川クルーズ(R)周遊90分コース〉2,500円(土・日・祝2,800円)。予約はHP(https://nihonbashi-cruise.jp)から。

組紐[神楽坂]DOMYO(どうみょう)神楽坂ギャラリー

組紐体験は、丸台を使い12本の絹糸で組み上げてから、ストラップやブレスレットなどに仕上げる。
組紐体験は、丸台を使い12本の絹糸で組み上げてから、ストラップやブレスレットなどに仕上げる。

●着物好き憧れの、江戸組紐の老舗。丸台でリズミカルに組んでいく。

正倉院や各地の古寺社の組紐の復元も手掛ける、上野・池之端に本店を構える『有職組紐 道明』。熟練の職人が作る手染め、手組みの帯締めの色や柄の美しさは格別。組紐体験は、同店の神楽坂ギャラリーにて。アクセサリーに仕上げるので、完成後に気軽に身につけられる楽しさも。

神楽坂のギャラリーは、洋装小物ブランド「DOMYO」を展開。
神楽坂のギャラリーは、洋装小物ブランド「DOMYO」を展開。
伝統を守り継ぐと同時に、バレッタなど、組紐を使ったアクセサリーを並べる。
伝統を守り継ぐと同時に、バレッタなど、組紐を使ったアクセサリーを並べる。

東京都新宿区神楽坂4・2・4 三杉102
神楽坂ギャラリーは土・日曜のみ営業。時間等詳細はHPで確認を。
問い合わせ:本店TEL.03・3831・3773
〈組紐体験講座〉は毎週日曜開講、1回2時間4,000円。
予約はHP(https://kdomyo.com)から。来春、神楽坂内で移転。ミュージアムも併設予定。

更紗型染め[落合]染の里 おちあい

染めに使う染料。
染めに使う染料。

●江戸更紗のエキゾチックな紋様、深い渋みのある色合いが魅力。

独自の染め文化が花開いた江戸時代。そのひとつが更紗で、妙正寺川沿いにある江戸染色の工房「染の里 おちあい」では、1柄に14枚の型紙を使いながらテーブルセンターを染める体験ができる。華やかな紋様と、江戸の職人が工夫を重ねながら生みだした渋みのある色合いが粋。

14枚の型紙を1枚ずつ板貼りした生地の上に置き、丸い刷毛を使って色を摺り込んでいく。色柄に次第に立体感や深みが出てくる。
14枚の型紙を1枚ずつ板貼りした生地の上に置き、丸い刷毛を使って色を摺り込んでいく。色柄に次第に立体感や深みが出てくる。
その後に蒸し、水にさらし、余分な染料を洗い落として乾燥させる。
その後に蒸し、水にさらし、余分な染料を洗い落として乾燥させる。

東京都新宿区上落合2・3・6 
TEL.03・3368・8133
営業時間:11時〜17時
月曜休
更紗柄のテーブルセンターを染め上げる染色体験は、毎週水・土・日曜開催。約120分3,300円。予約はHP(https://www.ochiai-san.com)から。

手漉き和紙[新日本橋]小津和紙

希望により、デザイン和紙+落水紙の2回加工も可(体験料1枚1,000円)。
希望により、デザイン和紙+落水紙の2回加工も可(体験料1枚1,000円)。

●和紙専門店の工房で、昔ながらの道具を使い紙漉き。

承応2年(1653年)創業の「小津和紙」。その体験工房で楽しめる和紙の手漉き。楮をほぐして水に混ぜた原料から、昔ながらの道具を使って和紙を漉いていく。ほかにも、漉いた和紙の上に色付き和紙などをのせるデザイン和紙、型を置き水滴をかけて模様をつける落水紙を作る体験も。

工房に隣接する店舗には日本各地の和紙が揃う。
工房に隣接する店舗には日本各地の和紙が揃う。
手漉き和紙体験は、流し漉きの方法で行う。簀桁(すけた)を前後左右に平行に揺らし繊維同士を絡めながら、薄く均等に漉く。
手漉き和紙体験は、流し漉きの方法で行う。簀桁(すけた)を前後左右に平行に揺らし繊維同士を絡めながら、薄く均等に漉く。

東京都中央区日本橋本町3・6・2 小津本館ビル1F 
TEL.03・3662・1184 
営業時間:10時〜18時 
日曜休 
〈手漉き和紙体験〉〈落水紙体験〉各500円、〈デザイン和紙体験〉800円(すべて1枚、約1時間)。手漉き和紙体験工房の予約は電話(TEL.090・4842・0139)またはHP(https://www.ozuwashi.net)から。

江戸の味[清澄白河]深川宿(ふかがわじゅく)本店

"日本五大銘飯"にも選ばれている深川めし。右がぶっかけ、左が炊き込み。アサリは江戸前を中心に国産のものを厳選。
"日本五大銘飯"にも選ばれている深川めし。右がぶっかけ、左が炊き込み。アサリは江戸前を中心に国産のものを厳選。

●江戸時代は海に面していた深川。〝漁師めし〞が名物の郷土料理に。

江戸時代に深川の漁師が船上で食べた〝ぶっかけ飯〞が発祥とされる深川めし。この味を地元の漁師に学び、名物の郷土料理として甦らせたのが専門店『深川宿』。アサリを絶妙に調合した味噌で煮立てネギを加え、ご飯に汁ごとかけたぶっかけと、アサリの炊き込みご飯の両方を味わえる。

囲炉裏を囲む席と座敷のある店内。
囲炉裏を囲む席と座敷のある店内。
本店は深川江戸資料館の向かいにある。
本店は深川江戸資料館の向かいにある。

東京都江東区三好1・6・7 
TEL.03・3642・7878 
営業時間:平日11時30分〜15時、17時〜21時 土・日・祝11時30分〜17時(すべて閉店30分前L.O)
月曜休(祝日の場合は翌火曜休)
深川めしのぶっかけと炊き込みをセットで味わえる〈辰巳好み〉2,365円、〈深川めし(ぶっかけ)〉2,145円。富岡八幡宮境内にも店舗がある。

飴細工[浅草]浅草 飴細工 アメシン 花川戸店

体験教室で飴職人の指導を受けながら挑戦する、うさぎの飴細工。
体験教室で飴職人の指導を受けながら挑戦する、うさぎの飴細工。

●童心に返るひととき。柔らかな飴からうさぎを作る。

江戸時代には町じゅうに飴売りが登場。飴を使って鳥や草花などを素早く形作る飴細工は大人にも子どもにも人気を博したといわれる。

うちわをモチーフにした飴に和柄を施した商品。ほかにもガラス細工のように美しい飴細工を販売。
うちわをモチーフにした飴に和柄を施した商品。ほかにもガラス細工のように美しい飴細工を販売。

浅草にある伝統飴細工専門店『アメシン』では、体験教室を開催。作るのはうさぎ。熱して柔らかくした飴を和バサミと手で形作り、絵付けも行う。

体験教室は専用スペースがある花川戸店で随時開催。
体験教室は専用スペースがある花川戸店で随時開催。
江戸切子、どぜうなべ、舟遊び…粋で美味、江戸文化に触れる東京の秋。

東京都台東区花川戸2・9・1 堀ビル1F
TEL.10時30分〜18時 木曜休
〈飴細工体験教室〉は約1時間半〜2時間3,100円。
予約は電話(TEL.080・9373・0644)またはHP(http://www.ame-shin.com)から。

  • 平松昭子

    平松昭子 さん (ひらまつ・あきこ)

    イラストレーター

    ファニーでエレガントなイラストやコミックエッセイが人気。ファッションブロガーでもある。上方舞・吉村流の名取として指導、神社の例大祭で奉納舞を行うことも。

『クロワッサン』1079号より

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