メルカリ活用で家がスッキリ。出品時の撮影、値付け、発送、やりとりのコツ。
文・倉石綾子
【メルカリで実現した、1軍アイテムだけがスッキリ整う住まい。】
小物から大型家具まで、あらゆるニーズがある。
「著書(『直しながら住む家』)の撮影で自宅の収納の中までを見せることになり、愛着はあるけれど出番のなくなったものの処分を決意しました」という小川奈緒さん。リサイクルショップでは愛着のあるものや価値のあるものが思いのほか評価されなかったことから、友人に勧められたメルカリを試してみることに。
「初出品は、プリンターの買い替えにより不要となった新品のインクカートリッジ。以降、マタニティヨガのDVDから子どもの参考書、マットレスまで、さまざまなアイテムを出品。ほとんどすべて売れました」
メルカリには自分が想像もしないようなニーズがある、と小川さん。
「私にとっては不用品でも、誰かにとっては使えるもの。ごみにならず、欲しいという人に使ってもらえる素晴らしいシステムだと思います」
SOLDで相場を学び、納得できる値段をつける。
メルカリに出品するものを決めたら、まずは似たようなアイテムを検索。SOLDと売れていないものの値段を参考にしながら値付けを行う。希少品や一点ものなど、ものによっては新品よりも高く値付けされている場合もあるが、小川さんは「購入時の値段より高い値付けは行わない」と決めている。
「私がメルカリを利用する目的は不用品の循環なので、自分が納得できる値段をつけて出品しています。ほとんど儲けになりませんが、それがメルカリを気持ちよく続ける秘訣」
儲けにならずとも、ものの価値をわかってくれる人が喜んで購入してくれることで、リサイクルショップで味わったやるせなさを感じずに済む。
「愛着のあるものを気持ちよく送り出せるし、部屋もスッキリする。それがメルカリの魅力だと思います」
写真は多く、美しく。背景の生活感は排除して。
「手始めに『こういう人から買いたい』と思う出品者を見つけ、撮り方や商品説明を参考にしました」と小川さん。
ウェブショップの商品ページも参考に、商品画像の背景を白で統一。余計な要素をなるべく排除して商品を引き立てる。現在は自宅の一角を撮影場所と定め、同じシチュエーションで撮影している。
「ひとつの商品につき登録できる写真は10枚。全体のフォルムはもちろん、素材感、内側や裏側のディテールをあらゆる角度から撮影し、アイテムの状態がわかりやすい10枚を登録します。キズや傷みがあれば、写真と商品説明で申告。メジャーと一緒に撮影するなど、サイズ感がわかるような工夫も喜ばれます」
商品説明にはアイテムの状態、サイズ、使用年数・頻度など、購入検討者が知りたい詳細を記しておく。
発送に必要な梱包材もリユースして資源を循環。
商品が売れたら送り出す準備を。水濡れ対策としてビニール袋に入れ、割れ物はエアクッションなどを利用して丁寧に梱包する。
「メルカリストアではオリジナルの梱包グッズを販売していますが、わざわざ買わなくても大丈夫。ネットショッピングの段ボールや梱包材をとっておいてリユースすれば、自宅のごみも少なくなって一石二鳥」
商品のサイズに合った外箱に入れたらコンビニや郵便局に持ち込み、匿名配送が可能な「メルカリ便」を活用して発送するだけ。
「家もすっきり片づいて、資源を循環させることで環境にも貢献できる。出品から発送通知までをアプリひとつで完結できる手軽さもいい。かつての断捨離ブームはただ捨てるだけでしたが、ものを循環させる現代にはメルカリがフィットします」
満足感を得られる、気持ちのいいやりとり。
「これまで140以上の取引を行ってきましたが、不快な思いをしたことは一度もないんです。むしろ、取引のたびに『素敵なものをありがとう』『大切に使います』というメッセージが寄せられることに感激しました」
こうした利用者同士で守られているマナーもメルカリの魅力で、実際、このようなメッセージをもらうことで、自ずと丁寧なやりとりを心がけるようになるのかもしれない。
「感謝の言葉のやりとりがあることで、愛着のあるものが誰かにもらわれていったという満足感を得ることもできます。不用品を処分したと思うよりずっと気持ちがいいですよね」
こうして出品を繰り返すうち、いつの間にか部屋が片づいているところがメルカリの良さ、と小川さん。
「使うものだけがきちんと収まっている風景は気持ちがいいですよ」
『クロワッサン』1075号より
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