身近な野菜で作ったナムルは、即席ビビンパの具材にも【重信初江さんの韓国料理の常備菜レシピ】
撮影・青木和義 文・田辺 香
好きなナムル、和えもの、プラス目玉焼きで即席ビビンパが作れます。
[身近な野菜でナムルを作っておくと、ビビンパの具材として手軽に使える。]
豆もやしのナムル
ナムルの味を決める秘訣は、混ぜ方にあり。
豆もやしで作る鉄板ナムル。「韓国では箸を使わず、手で混ぜることで味が引き立つと言われています」
【材料(作りやすい分量)】
豆もやし 2袋
A[えごま油 大さじ1/2 おろしにんにく・塩 各小さじ1/2 砂糖・胡椒 各少々]
【作り方】
1.塩(分量外)を入れた熱湯に豆もやしを入れ、時々混ぜながら2分ほど茹でる。
2.1をザルにあげて流水にとり、軽く絞ってボウルに入れ、Aを加えて和える。
冷蔵庫で4〜5日間保存可能。
大根の炒めナムル
ごま油で炒めた大根の香ばしさが広がる。
「大根は塩をして、水気をよく絞るのが大事なポイント。このひと手間で味が染み込みやすくなります」
【材料(作りやすい分量)】
大根太め 1/3本(600g)
塩 小さじ1
ごま油 大さじ1/2
A[細ねぎの小口切り・白すりごま 各大さじ3 薄口醤油 小さじ1 おろしにんにく 小さじ1/2 塩 小さじ1/4 砂糖・胡椒 各少々]
【作り方】
1.大根は4cm長さの短冊に切り、ボウルに入れて塩をまぶしたら、30分ほどおいて水気を絞る。
2.フライパンにごま油を熱して1を入れ、強めの中火で2〜3分、少し透き通るまで炒める。
3.火を止めてAを加え混ぜる。冷蔵庫で4〜5日間保存可能。
ブロッコリーのレンジナムル
ブロッコリーの茎までおいしく食べられる。
「ブロッコリーにしっかり味をつけるため、レンジで加熱した際に出てきた水分を捨てるのを忘れずに」
【材料(作りやすい分量)】
ブロッコリー 大1株(400g)
A[ごま油 大さじ1/2 おろしにんにく 小さじ1/3 塩 小さじ1/4 砂糖 少々]
【作り方】
1.ブロッコリーは小房に分け、それぞれ3〜4等分の薄切りにし、茎は厚めに皮をむいて短冊に切って耐熱ボウルに入れる。
2.1にラップをかけて600Wの電子レンジで3分加熱したら、一度取り出してざっと混ぜ、さらに1分加熱する。
3.2の水気を捨て、熱いうちにAを加えて混ぜる。
冷蔵庫で4〜5日間保存可能。
ムセンチェ
サラダ感覚で食べられる韓国風大根なます。
「ムセンチェは、千切りした大根を酢や砂糖などで和えた甘酸っぱいナムルです。冷麺によく合います」
【材料(作りやすい分量)】
大根太め 1/3本(600g)
塩 小さじ1
A[酢 大さじ1 韓国唐辛子(粗挽き)・砂糖 各小さじ1 塩 少々]
【作り方】
1.大根は3〜4mm幅の輪切りにしてから千切りする。ボウルに入れて塩をまぶしたら、30分おいて絞る。
2.1にAを加えて和える。15分以上おくと味がなじみ、色味もきれいに仕上がる。
冷蔵庫で1週間保存可能。
きのこの炒めナムル
チャプチェやスープなどにもアレンジできる。
舞茸、しめじ、えのきの3種を使用。「好みのきのこ1〜2種類でもOK。韓国唐辛子は辛味の少ない粗挽きを」
【材料(作りやすい分量)】
舞茸1パック(100g)
しめじ1パック(100g)
えのきだけ大1パック(200g)
ごま油 大さじ1/2
酒 大さじ1
A[韓国唐辛子(粗挽き)・醤油 各小さじ1 おろしにんにく 小さじ1/2 塩 小さじ1/4]
【作り方】
1.舞茸としめじは手で細かくほぐし、えのきは根元を除き、半分に切ってほぐす。
2.フライパンにごま油を熱して1を入れ、少ししんなりするまで2分ほど中火で炒める。
3.2に酒を加え、全体にしんなりしたら、火を止めてAで和える。
冷蔵庫で5〜6日間保存可能。
ほうれんそうのナムル
ほうれんそうとえごま油の風味がたまらない。
ほうれんそうは甘い根の部分も使用。「ねぎのみじん切りも加えると、ほうれんそうの青臭さが和らぎます」
【材料(作りやすい分量)】
ほうれんそう 2束(400g)
A[長ねぎのみじん切り 大さじ2 えごま油 大さじ1/2 醤油 小さじ1 おろしにんにく 小さじ1/2 塩 小さじ1/3 砂糖・胡椒 各少々]
【作り方】
1.塩(分量外)を入れた熱湯に、ほうれんそうを根元のほうから沈めるように入れ、全体にしんなりするまで1分ほど茹でる。
2.1を流水で冷まし、4cm長さくらいに切ったら水気を絞り、ボウルに入れてAで和える。
冷蔵庫で3〜4日間保存可能。
ビビンパ
ナムル1種類だけで、本格的なビビンパに。
今回は大根の炒めナムル、ほうれんそうのナムルの2種類だけで。「ナムル、目玉焼き、韓国海苔、コチュジャンをご飯にのせてごま油をかけ、混ぜ合わせます」
【材料(1人分)】
好みのナムル 適量
ご飯 適量
卵 1個
韓国海苔または焼き海苔 適量
コチュジャン・ごま油 各適量
【作り方】
1.卵で目玉焼きを作る。
2.1、好みのナムル、ちぎった韓国海苔(または焼き海苔)をご飯にのせ、コチュジャンとごま油を好みの量入れたら、よく混ぜる。葉物野菜やキムチをのせてもいい。
ナムル、漬けもの、炒めもの。常備したい、韓国料理のおつまみ。
韓国料理の作り置きは、韓国語で“おかず”を意味するパンチャンと呼ばれ、野菜を使った惣菜が多い。「冷蔵庫から取り出してそのまま食べられるので便利です。冷蔵で長くて1週間もつので、たくさん作って常備しておくと日々活躍しますよ」(重信初江さん)
定番のナムルは、野菜を塩茹でして、ごま油や調味料で味付けした和えもののことで、豆もやしやほうれんそう、山菜などで作ることが多い。
「ナムルを1種類だけでも作り置きしておけば、温かいご飯に卵と一緒にのせてビビンパが簡単に作れます。いろんなナムルを作って、具材にして韓国風海苔巻きのキンパを作るのもおすすめ。ナムルは炒め物にしてもおいしいので、春雨と炒めてチャプチェにしたり、肉と炒めてボリュームたっぷりのおかずにしたり。ナムルを使って立派なおかずがいろいろ作れるんです」
『クロワッサン』1063号より