暮らしに役立つ、知恵がある。

 

一田憲子さんが、暮らしを見つめてたどり着いた片づけ不要の住まい。

何のために片づけるのか、どういう暮らしをしたいのか、が大切。
暮らし上手が自分で見つけた、すっきり快適術を聞きました。

撮影・黒川ひろみ 文・松本あかね

一田憲子さんが、暮らしを見つめてたどり着いた片づけ不要の住まい。

一田憲子さんが、暮らしを見つめてたどり着いた片づけ不要の住まい。

「リビングにクローゼットを置くなんて、みんな思わないですよね」

と一田憲子さん。昨年春、整理収納アドバイザーのEmiさんの手を借りてクローゼットを大改革したばかり。

「もともとクローゼットは寝室の押し入れにあったんです。朝は私が先に出ることが多いので、主人がまだ寝ている隣で押し入れを開けて服を選んでいたんですけど、Emiさんが『それって不便じゃないですか?』って」

アドバイスに従い、クローゼットをリビングの押し入れにしたところ、朝の身支度が「めっちゃラク」になった上に、脱いだ服をすぐしまう習慣もついた。つまり服の脱ぎ着がリビングで完結するようになったら、服の片づけまでスムーズになったというわけ。結局「がんばって片づけないといけないという状態が、片づかないんですよね」。

やる気モードでないとできないことというのは結局、続かない。大切なのは通常運転で片づいた状態がキープできること。ものをどこにどうしまうかという仕組みが必要で、それができれば片づけの時間が不要になる。

「ごはんをおいしく食べるために食卓を片づけたいと思ったら、積んであるDMの行き先を考えますよね。それでいい方法を思いついた時はうれしいし、暮らしの楽しみって、そういう仕組みを発見するところにあるのかな。私でもできるというやり方を発見していくと、だんだんラクになって、ラクになるといつのまにか片づくようになる気がしますよね」

身の回りの細かいものは雰囲気のいい箱に。

一田憲子さんが、暮らしを見つめてたどり着いた片づけ不要の住まい。

リビングのチェストの上に置いた古道具風の引き出しは、アーティストの前川秀樹さんの作品。中には文房具、電池、体温計など日用品をまとめて、紙袋の仕切りで整理。

 「着る」「しまう」までを動線の中に組み込む。

一田憲子さんが、暮らしを見つめてたどり着いた片づけ不要の住まい。

右・リビングの押し入れにポールを取り付けて。
左上・ハンガーをスリムな起毛タイプに統一しボリュームダウン。S字フックはカバン掛けに。
左下・ボトムも吊るしてシワ知らず。

朝・昼用のお茶と食器のセットを作る。

一田憲子さんが、暮らしを見つめてたどり着いた片づけ不要の住まい。

朝いちばんに番茶とコーヒーを淹れる。お昼はトーストとスープと紅茶。「毎日のことだからお茶類と食器をまとめておき、あちこち動かなくても用意できるようにしています」

掃除が大変な水切りカゴは 卒業。

一田憲子さんが、暮らしを見つめてたどり着いた片づけ不要の住まい。

「水切りカゴにつく水垢が気になって、シンクに渡して使うタイプの水切りラックに切り替えました」。食器を収納したらフックに吊り下げて乾燥。場所も取らずすっきり。

  • 一田憲子

    一田憲子 さん (いちだ・のりこ)

    編集者、ライター

    ファッションから片づけまで、暮らしまわりを中心に雑誌・書籍で執筆。近著に『大人の片づけ できることだけやればいい』(マガジンハウス)。https://ichidanoriko.com

『クロワッサン』1065号より

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