実録! カオスな収納棚を虻川美穂子さんが片づけた。
虻川美穂子さんがプロの指南で片づけにトライ!
撮影・黒川ひろみ 文・長谷川未緒
虻川さんちの「なんでも棚」を石阪さんが診断。
(A)キケン!
金融機関の書類と、家庭内の家電取扱説明書が混ざっている。大事な書類が行方不明になるかも。
(B)惜しい!
家族ごとに引き出しを作るなど、分類して収納しようという努力の痕跡が。でもあまり機能していない様子……。
(C)あと一歩!
未開封の水などをまとめて保管している感じの場所が。頑張っています!
(D)もったいない!
子どもが描いてくれた大事なお手紙が無造作に。このままだと破れてしまいそう。
(E)注意!
いろいろなものが不規則に置かれている。ばんそうこうや文房具があちこちにあり、子どもが使うことができない。
物を捨てることが苦手でどうしても片づけられないという、タレントの虻川美穂子さん。「片づけの目的は理想の暮らしを実現すること」と語る片づけアドバイザーの石阪京子さんに、一度やれば一生リバウンドしない片づけメソッドを教えてもらった。
石阪京子さん(以下、石阪) 虻川さんとは初めましてですが、初めての気がしないんです。家を片づけるお手伝いをしたくわばたりえさんから、「虻ちゃんの家をどうにかしてあげて!」と言われていたので。
虻川美穂子さん(以下、虻川) でも先生、私はくわばたさんと違って物が捨てられないので、片づけられる気がしません……。
石阪 物が捨てられない人は、ズボラなわけでもだらしないわけでもなく、物に思い入れを抱きやすい、優しい人が多いんですよ。虻川さんはずっと物が捨てられないんですか?
虻川 一人暮らしを始めたときからですね。下積み時代は生活が苦しかったこともあり、「何かに使えるかも」と物を溜め込むようになった気がします。ふだんは節約していますが、安いとつい買ってしまって、物が増えがちです。片づける努力はしているんですが。
石阪 わかりますよ。個人別のボックスを作ったり、棚の高さを生かして収納トレーを置いたり、工夫した跡は見られます。でも物が多いし、どうしたらいいのかわからないという感じ。
虻川 そうなんです!
石阪 リバウンドせず、日々のリセットだけですむ片づけきった生活を送るには、物を自分が管理できる量まで減らすことが大切です。目安は収納スペースの7割。そのためには、強い目的意識を持つことが必要なんです。何のために片づけるのか、そこがはっきりしていれば、自分にとって本当に大事なものが明らかになり、案外さっぱり手放すことができます。私のお片づけレッスンの生徒さんで、子どもが小さい頃に遊んでいた木馬が捨てられないと言っていた方がいます。でも、子どもの友だちを呼びたい、それにはスペースが必要だしロボット掃除機の邪魔になると、あっさり木馬を処分しました。家族の過去ではなく今と向き合えるようになり、物を手放せたんですね。虻川さんは、どうして片づけたい?
虻川 私も息子の友だちを呼べる家にしたいですし、子ども部屋も作ってあげたいです。いつも探し物をしていて時間が取られているので、パッと物を取り出せるようにもしたいです。
石阪 家が片づくと料理も掃除もしやすくなるので、驚くほど時間ができますよ。ずっとやりたかったことをやる余裕が生まれますから、可能性が広がるし、人生が好転します。
虻川 え〜っ、そうなんですか!?
石阪 そうですよ。子どもにイライラすることも減りますし、家が快適になって家族が一緒に過ごす時間が楽しくなるので、仲が良くなったという話もたくさん聞きます。
虻川 あ〜、私はいつも子どもに怒っています。夫にも文句ばかり言っていますし……。
石阪 片づけると、そういうストレスがなくなりますよ。それに無駄遣いが減ってお金も貯まるようになりますし、家を売るときにも、きれいな家は資産価値が高いです。
虻川 いいことずくめですね! でも先生、片づいたところが想像できず、自分にできるのか、まだ不安です。
石阪 大丈夫! 1回片づければ一生リバウンドしない方法を紹介します。今回はダイニングの収納棚を片づけますが、応用すれば家全体が使いやすくなります。理想の暮らしの実現に向けて、一緒に片づけましょう。
〈片づけるといいことあれこれ〉
■お金が貯まる。
物と向き合うことで無駄遣いが減り、家の資産価値も上がる。
■家族が仲良くなる。
お互いの希望に寄り添い、家を使いやすくすることで、穏やかに。
■時間に余裕ができる。
探し物がなくなる。家事の効率が上がり、時間が短縮できる。