「お金も老後も不安は尽きません」、お笑い芸人・川村エミコさんがプロに聞く節約術。
撮影・黒川ひろみ スタイリング・山崎由佳(川村さん) ヘア&メイク・遠藤芹菜 文・小沢緑子
せっかく稼いだお金だから少しでも増やすために分散を。
川村 老後資金の準備は、40代からでも間に合うんでしょうか……。
深川 人生でお金の貯め時は「独身時代」「子どもの教育費がかかりだす前」「子どもが独立して定年まで」の3つがあり、独身の川村さんはまさに貯め時。仕組みさえ作れば貯まります。銀行以外に金融機関の口座はお持ちですか?
川村 銀行以外はないんです。
深川 低金利時代、銀行だけでは増えずすごくもったいない。お金は使う時期で預け先を分けましょう。「5年以内」に使うものは銀行預金、「5〜10年以内」に使うものは投資信託、「10年以上先〜老後」まで置けるものは貯蓄ができる生命保険(貯蓄性保険)があり、この3つに分ける分散法が私のおすすめ。
川村 投資なんて私にできるかなあ。
深川 ドルコスト平均法といって月々3000円、5000円など少額から積み立てられる投資信託があるんです。
川村 少額なら試すのもありですね。
深川 分散法がなぜおすすめかというと、お金のことはいくら苦手でも、将来を考えると避けては通れない。それに仕事を頑張って得たお金はムダにしたくない。今後世界の景気がどうなるかは誰にも予測できませんが、iDeCo(※1)やNISA(※2)を活用し、長期・積立・分散投資でコツコツ運用すれば節税もでき、リスクを抑えることができます。
川村 そういうマネーの知識はどうやって身につけていけばいいんですか?
深川 本を読んだり、オンラインのマネーセミナーもあるので活用を。保険は今、金融庁がいろいろな商品を示すよう指導しているので代理店やFP(ファイナンシャルプランナー)も頼りになるはずです。大切な自分のお金のことですから、少し気合を入れて勉強すると、だんだん自分に合う金融商品がわかるようになってきますよ。
川村 モヤモヤが晴れてきました。少しでも貯金ができるように頑張ります!
※1 自分で金融機関、運用商品を選び、毎月決まった金額を積み立てて将来に備える個人型確定拠出年金。
※2 少額から投資を行う人のための少額投資非課税制度。「一般NISA」と積立型の「つみたてNISA」がある。
【 人生の中での3つの貯め時 】
●独身時代
未来の自分のために貯金に励み、"貯めグセ"をつける時期。ボーナスはあてにせず、頑張って毎月の手取り収入の2割を貯蓄に回す。
●独結婚後〜第1子の教育費がかかりだす前
第2の貯蓄のチャンス。共働きでも妻が専業主婦と想定した生活水準で。夫婦の財布はひとつにしてそのうちの2割を貯金すること。
●子どもの独立〜定年まで
子どもにかかっていたお金の負担がなくなる時期だが、まだ教育費がかかっていると想定。その分を丸々貯蓄に回すと効率よく貯まる。
【 使う時期でお金を3つに分ける 】
「5年以内」にすぐ使うお金は銀行、それ以外は運用も考えて、「5〜10年以内」のものは投資信託、「10年以上先〜老後」のものは貯蓄性保険と振り分ける。
【 手取り2割を先取り貯蓄に回す 】
※たとえば、独身・手取り30万円の場合。
手取り収入の2割(難しいときは1.5割)を先に貯蓄に回す。残りの6割を生活費、2割を自己投資に当てるとストレスがなく、しかも貯金が自動的に増える。
老後の暮らしとお金の不安を乗り越えるための5カ条
□ 部屋を片づけ、不便なことも見逃さない。
□ 暮らしも貯蓄も工夫と知恵が大事。
□ 〝お金の見える化〟でメンタルを変えよう。
□ 一人でも二人でも幸せに生きる。
□ コツコツ先取り貯蓄が一番簡単で近道。
川村さん: ブラウス6,930円(イデム/アンティローザ TEL.03・6431・9431)スカート3,960円(マニャーナ スエルテ/アンティローザ)
『クロワッサン』1062号より
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