くらし

「分とく山」総料理長に教わる、フライパンで作る2つの炊き込みご飯レシピ。

ご飯をこよなく愛する「分とく山」総料理長の野崎洋光さんに、フライパンで作るレシピを2つ教わります。
  • 撮影・青木和義 文・黒澤 彩

「お米は魔法の食材。 それがわかる炊き込みご飯を2つ」

フライパンは、炊き込みご飯も得意。具材を油で炒めてから米と水を加えて炊くタイプのご飯も作りやすい。野崎さんが紹介してくれた1品目、にんにくの香味を利かせたじゃこご飯は、和風ペペロンチーノともいうべきコクのある味わい。
 
「お米は何にでも合うので、にんにく味でもばっちりです。しかもペペロンチーノパスタよりも安上がりですよ。安価でおいしい、お米のすごさをあらためて知ってもらえたら」
 
もう1品は、秋の味覚のさつま芋と豚肉の炊き込みご飯。火の通りにくいさつま芋は米と一緒に炊き始め、加熱しすぎるとパサついてしまう豚肉は、さっと霜降りしたうえで後から加える。
さつま芋が崩れすぎないように、やさしくさっくりと混ぜる。
炊き込みご飯は出汁で炊くものと思い込みがちだが、あえて出汁を使わず水で炊くのが野崎流。味付けも薄口醤油と酒だけと控えめでも、物足りなさはまったくない。
 
「水で炊くからこそ、素材それぞれのおいしさが引き出せます。いつも同じ出汁を使うと、どんな具材を入れても同じ味になってしまいます」
 
とくに市販の顆粒出汁などは味が強いので、むやみに入れるのは要注意。
 
「出汁で炊いたご飯がお化粧姿だとしたら、水で炊いたご飯は素顔。必ずしもお化粧しなくたって、素顔のままで充分に美しいっていうことです」
 
おいしいご飯と名言をじっくりかみしめ、お米に感謝。
 

じゃこにんにくご飯

【材料(4人分)】
米 2合
サラダ油 大さじ1
にんにく 30g
ちりめんじゃこ 70g
A[水 300ml、薄口醤油 30ml、酒 30ml]

【作り方】
1.米は水で洗い、15分浸水させてザルに上げ、15分水気を切っておく。
2.フライパンにサラダ油を熱し、みじん切りにしたにんにくを弱火でじっくり炒める。
3.2のフライパンに米とAを加えてこの要領で炊き、水分がなくなってきたらちりめんじゃこを加えて炊き上げる。

豚肉とさつま芋の炊き込みご飯

【材料(4人分)】
豚バラ肉(スライス)80g
さつま芋 100g
わけぎ 1本
黒粒胡椒 少々
米 2合
A[水 300ml、薄口醤油 30ml、酒 30ml]

【作り方】
1.米は水で洗い、15分浸水させてザルに上げ、15分水気を切る。
2.豚肉は幅2~3cmに切り、熱湯にサッとくぐらせ霜降りをして水に落とし、水気を切る。
3.さつま芋は長さ3cmほどの一口大に切り、5分水にさらして水気を切る。
4.フライパンに米とさつま芋、Aを入れ、蓋をして沸騰するまで強火で炊く。
5.沸騰したら中火にし、米肌が見えるくらいになったら豚肉を入れて弱火にして5分、さらにごく弱火にして5分、火を止めて5分蒸らす。
6.蓋を開け小口に切ったわけぎを加えて黒胡椒をひき、全体をさっくりと混ぜ合わせて器に盛る。

野﨑洋光

野﨑洋光 さん (のざき・ひろみつ)

「分とく山」総料理長

和食の名店で料理長を務めること40年。時代に合わせた家庭料理も提案している。『おいしいごはんの勘どころ』など著書多数。

『クロワッサン』1055号より

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