くらし

京都人のソウルフード、けいらん【こてらみやさんの京のおばんざいレシピ】

京の台所には身近な食材を活かしつつ、バラエティ豊かに味わう知恵が伝わっています。
  • 撮影・小川朋央 文・松本あかね

けいらん

とろみをつけただし汁を煮立て、鍋のふちに沿って円を描くように溶き卵を細く垂らす。
固まる前に混ぜると濁ってしまう。かきたま状にふわふわと浮いてくるまで待つこと。

お腹がほっこり温まる、京都人のソウルフード。

【材料(2人分)】
卵 3個
うどん 2玉
A[だし汁 700ml みりん 大さじ3 うすくちしょうゆ 大さじ2 塩 小さじ1/2]
水溶き片栗粉[片栗粉 大さじ2と1/2を同量の水で溶く]
おろししょうが 大さじ1

【作り方】
1.
卵は白身を切るようにしてしっかり溶きほぐす。うどんを湯通しするための湯を沸かしておく。
2.鍋にAを入れて火にかける。煮立ったら箸でかき混ぜながら水溶き片栗粉を回し入れてとろみをつける。
3.うどんを湯に入れて茹で、しっかり湯切りし、温めたどんぶりに盛る。
4.2を中火にかけてふつふつと煮立て、溶き卵を鍋の端から少しずつ注ぎ入れる。
5.
すぐにかき混ぜず、卵に火が通ってふんわりと浮き上がったら軽く混ぜ、3にかけて、おろししょうがをこんもりとのせる。

「おばんざいは特別なものではなく、京都の家庭で当たり前に食べている普段のおかずのことです」と話すのは、京都育ちのこてらみやさん。

「特別な材料や調味料は使わないけれど、出汁を含ませたり、相性のいい食材と合わせたり、時には食感を変えて、飽きずにおいしくいただくための工夫をいつも心がけています」

その精神はおなじみの食材にこそ発揮される。「豆腐なら凍らせて炒り豆腐に、崩してサラダ、つぶして餃子に。肉代わりとしても重宝します」

いつもの唐揚げも山椒の香りをまとうとぐっと大人の味。卵料理が昼ごはんの主役を張るのも京都ならでは。食材の滋味をとことん引き出す「おばんざい」の知恵をお試しあれ。

こてらみや

こてらみや さん

料理家

休日はベランダ栽培の果物やハーブを使った瓶詰め作りを楽しむ。『生姜屋さんとつくった まいにち生姜レシピ(仮)』(池田書店)が9月刊行予定。

『クロワッサン』1052号より

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