くらし

いざ避難、となる前に、防災について家族で考えたいこと、決めておきたいこと。

その時、に備えるのは、備蓄品ばかりではありません。その時になったらどう動くか? 普段からの行動のイメージが鍵になります。
  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・山本由実 文・一澤ひらり

1.災害時に役立つ「家族ルール」って何?

「家族がバラバラに被災した時、どうやって連絡を取り合うのか。そうした取り決めを作って『家族ルール』にすることが重要です。携帯が通じないなら災害伝言ダイヤルを使うとか、SNSならどのツールを使うとか、何種類かの伝言方法を決めておきましょう」

東京都の場合、大きな災害時に帰宅困難者は、会社勤めであれば3日間は職場で待機という指針が。

「一斉帰宅すると二次災害の恐れや救助・救命の妨げになります。だから帰宅を留まるという考え方も大切です。その間、子どもは誰が面倒を見るのかなどを具体的に決めて『家族ルール』にすれば、家族が離れ離れでも安心できます」

2.生活用水についての基本の考え方。

「大人1人1日3Lの水が必要と言われています。飲料に1L、歯を磨いたり、顔を洗ったり、洗濯したりなどの生活用水が2L。家族4人で3日分だと36Lが目安ですが、高層マンションの居住者や、高齢者、水の消費が早い赤ちゃんや小さな子どもがいる世帯は給水所から水を運ぶのが大変です。日頃からタンクで水を補給するウォーターサーバーを使うと、水運びの重労働が軽減できます」

災害用の水の備蓄と考えるのではなく、普段使う水を常に多めにストックしておくことが肝心だ。

「除菌シートや歯みがきシート、お尻ふきなどをたっぷり備えておけば、生活用水はかなり節水できます。お風呂の水も溜めておけば使えるし、水の溜め方、使い方を工夫しましょう」

3.コロナ時代の、避難所と在宅避難の選択について。

「自宅や隣家に倒壊の恐れがないか、火災や津波などが起きていないか。状況をよく見て自宅が安全で命の危険がなければ、避難所に行くのではなく、自宅で避難生活をするほうが望ましいです。大きな災害があると避難所に行くものと思いがちですが、限られたスペースに人が殺到するので、ソーシャルディスタンスを保てず、密になりやすい。今のコロナ禍ではリスクも高まります」

ただし警戒レベル4の「避難指示」が出たら、その場にいるのは危険と判断されるので、速やかに避難所に向かう必要がある。

「避難所で最低限するべきなのはマスクの着用と手指の消毒です。これができないと感染症のリスクが高まるし、不安も増大します。マスク、消毒液、除菌ウエットティッシュなどは災害時になると急激になくなるので、普段からしっかり備えておくことが大切ですね」

4.避難時、ペットはどうすればいい?

「今は犬と猫であれば、基本的に避難所への同行避難は可能なケースが多いです。避難所にペット専用のスペースがあって、そこにケージごと預けるのが一般的です。居住する市区町村のペット対策を事前に調べておきましょう」

同行避難の際に覚えておきたいのは、必ずケージに入れること。ずっと一緒にいられるわけではないこと。ペットのごはんや水は飼い主が用意すること。この3点をきちんと踏まえて準備しておく。

「同行避難が困難な場合は、ペットはお留守番になります。水や食料を用意して、急場をしのげるようにします。また、災害時は迷子になりやすいので、連絡先を記した迷子札を必ず付けてください」

5.防災について、 小さな子どもに伝えたいこと。

「子どもは大人が守るものという意識が根強いですが、災害時に大事なのは子どもが自分で危険を察知することです。そうした危険から身を守る力を、キャンプに行くとか、遊びながら学ぶといいですね」

たとえば、災害時に割れたガラスの上を裸足で歩いてケガをする子どもが少なくないという。

「それはガラスの破片が危ないというのを知らないからなのです。危険なものを危険だと知ること。大きい揺れでない時は、このスペースにいれば安全とか、強く揺れたらダンゴムシのポーズ(イラスト)で頭を守るとか、親子で繰り返しやって覚えさせましょう」

冨川万美

冨川万美 さん (とみかわ・まみ)

NPO法人「ママプラグ」 アクティブ防災事業代表

東日本大震災の支援活動を機に特定非営利活動法人MAMA-PLUG設立に携わり、理事を務める。監修書に『家族と自分の命をつなぐ最新常識 今どき防災バイブル』(主婦の友社)。

『クロワッサン』1052号より

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