基本のスパイス4つとフライパンで作る本格インドカレー【稲田俊輔さんのレシピ】
撮影・青木和義 スタイリング・矢口紀子 文・斎藤理子
お店じゃないと食べられないと思っていた本格インドカレー。それが家で、フライパンひとつ、しかも15分ほどで作れると稲田俊輔さん。
「スーパーで簡単に手に入る4つのスパイス、クミン、ターメリック、コリアンダー、カイエンペッパーを同量で合わせた〝基本のミックススパイス〟。これを、玉ねぎやトマトと炒め合わせた〝カレーの素〟があれば、大抵のインドカレーは作れます」
玉ねぎを飴色になるまで炒める手間も、材料を長時間煮込む必要もない。何種類ものスパイスと深鍋がないと本格カレーは作れない、という思い込みを完璧に覆すレシピは、衝撃的ですらある。
「この4つのスパイスは、本場インドでもあらゆるカレーの骨格となるものです。市販のカレー粉は、インドカレーの本来の味や風味とはだいぶ違うものなので使いません」
炒める過程が大事なので、2人分なら少し深さのある20cmのフッ素樹脂加工フライパンが最適だ。あまりの美味しさと手軽さに、一度作ればやみつきになるのは間違いない。
4つのスパイスを同量で。 【基本のミックススパイス 。】
今回紹介する料理は、すべてこのミックススパイスを使います。多めに作って瓶に入れておけば、いつでも本格カレーが作れます。
【材料(基本の分量)】
コリアンダーパウダー10g
クミンパウダー10g、
ターメリック10g
カイエンペッパー10g
【作り方】
全部を一つのボウルに入れよく混ぜる。スパイスの分量の割合は同量が原則。計量したほうが正解だが、小さじ2ずつでも可。
あると便利なエクストラスパイス。
カイエンペッパーの代わりに、辛味がないパプリカパウダーを使うと甘口に。中辛ならカイエンペッパーの半量をパプリカパウダーに置き換える。ガラムマサラは、よりインドカレーらしい華やかな味わいになるスパイス。黒胡椒は食欲をそそる香り。味をキリッと引き締める。
応用自在のカレーの素を徹底マスター。
ほぼすべてのインドカレーのベースになるのが、玉ねぎ、トマト、上記基本のミックススパイスなどで作る[カレーの素]。下記の分量(1単位)が2人分となる。多めに作って冷凍しておくと便利。玉ねぎのみじん切りは、粗くても不揃いでも気にしなくて大丈夫。それがほどよい食感になると稲田さん。ただし、計量は正確にするのがポイント。「これさえ作ってしまえば、あとはメイン素材と水を加えるだけでありとあらゆるカレーが作れます」
【材料(1単位=2人分)】
A[サラダオイル大さじ2、玉ねぎ大1/2個(120g/みじん切り)、おろしにんにく小さじ1、おろし生姜小さじ1、塩小さじ1弱(4g)]
トマト水煮缶大さじ4
基本のミックススパイス小さじ2
作り置きもできる万能アイテム。 カレーの素
作り方
スパイスの香りが生きている。基本のチキンカレー
【材料(2人分)】
カレーの素1単位
鶏もも肉小1枚(160g)
水100ml
【作り方】
1.鶏もも肉は皮を取って一口大にカットする。
2.材料を全て鍋に入れ、中火で混ぜながら煮立てる。
3.沸騰したら蓋をして弱火で10分煮込む。
「鶏肉は、皮があると味が染みにくく、臭みも出やすいので取り除いて使います」
『クロワッサン』1045号より