床の傷をセルフで修繕する方法。
撮影・黒川ひろみ 文・長谷川末緒
スマホを落とした だけなのに…。
フローリングの凹みや、家具をひきずってできた傷、剥がれはどの家にもあるが、つまずいたりささくれが足裏に刺さったり、怪我の原因にもなりうる。放置せずに修繕を。
「フローリングは無垢材、ベニヤ板の上に薄い木材を貼ったもの、ベニヤ板の上に木目のプリントを貼ったもの等があり、どれも市販の補修グッズで手軽に修繕可能です」
今回の穴はスマートフォンを落としてできたもの。床の色に合うパテを調色できるタイプのキットで埋めていく。
(1)8mmの穴。凹みの中の埃を取り除き、油分等もさっとアルコールで拭き取っておく。
(2)フローリングの木目の濃い色ではなく下地の色に合わせて、パテの色を調色する。
(3)パテを電熱補修コテで埋め込むため、修繕箇所とその周りに耐熱保護ジェルを塗っておく。
(4)電熱補修コテでパテを溶かしながら凹みを埋める。コテを傾けて手前に引き、平らにする。
(5)パテを埋め込んだところ。凹みからパテが多少はみ出ていても、問題ない。
(6)パテが固まったら、凹みの周囲にはみ出したパテをヘラや定規などで削り取る。
(7)凹みを埋めたパテの表面に、付属のスチールウールでやすりをかけて、真っ平らにする。
(8)必要に応じて、付属のペンでフローリングに木目を描き、周りとなじませる。
(9)完成。凹みは完全にふさがり、修繕跡も目立たない仕上がりに。
あると便利。
フローリングについたすり傷などには、カラーワックスで色つやを蘇らせる。
「自宅をセルフで修繕するならば、1、2時間で終わり、怪我をする心配のない場所がおすすめです」と語るのは住生活ジャーナリストの藤原千秋さん。
傷みでも放置していると、そこを起点に破損が進むこともあるので気がついたら早めの修繕を心がけたい。傷みだけではなく、掃除では落としきれない汚れも修繕の対象だ。今回は、初心者でもトライしやすい壁と床を、読者の自宅で実践してみた。
「小さな傷や汚れが軽いうちに直すことで、家が長持ちし、プロに頼むような本格的な工事に至るまでの時間を稼げます。今は修繕キットもたくさん販売されていますので、ぜひ試してください」
これらは必須!
修繕を行う際は、修繕箇所の汚れを落とすための雑巾やウエス、破れにくいキッチンペーパー、アルコール消毒液、手を守るためのゴム手袋を用意しよう。切り傷ややけど等には、充分注意して。
『クロワッサン』1046号より
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