くらし

公売物件を購入してDIYで修復・再生。編集者による4軒のリノベーション物語。

  • 撮影・黒川ひろみ

(3軒目)ペンキ、左官・電気工事……。 あらゆるリノベーションを試す「実験ハウス」。

都心に近い静かな城下町という佐倉に魅力を感じた片岡さんは、勢い止まらず3軒目を購入。

北欧っぽいブルーは片岡さんの好きな色。室内のドアもペイントしている。
カラーチャートのような板は、さまざまな塗料の色味や経過を確認した賜物。気になったら何でも試してみる。
なんと屋根も自分で塗ってしまった。しかも、2階の屋根まで! 「ちょうど外壁工事の足場がついていた時なので、それを伝って屋根に上りました。今考えてみると、けっこう怖いことをしましたね(笑)」。

ここは、修復を進めながら、塗装や木工などの試作を行う場所でもある。

一般的な昭和住宅の外観だった物件も、大胆に塗り替えたことで一気にモダンに。

「特に塗料は質感も色の出方も、仕上がってみないとわからないことが多い。私はやってみてイマイチなら上から塗り直せばいいや、ぐらいの気持ちでジャンジャンお試ししています。本当はここも早く賃貸に出したいのですけれど」

ドアノブや襖の引き手を取り外し、アイアンペイントでかっこよく塗り替える。こういった細かい箇所にこだわったり、新しい塗料などを試したりできるのも、セルフリノベーションのいいところ。
ToDoリスト発見。常に試行錯誤だが、「でもあまり長い期間作業ばかりしていたら賃貸収益が……」と、運用面も気にかけている。

(4軒目)都内に見つけた古い戸建て。 これまでの経験を生かして再生中。

直近の購入物件は、東京23区内。土地の広い佐倉に比べ、コンパクトな2階建てだ。

仕事だけでなく趣味としても雑誌は常に身近に置いていたい。「なのでこの家にはマガジンラックを自作してみました」。左官工事や壁塗りなどに比べると一見簡単そうに思えるが、寸法や資材選びなど、工程は緻密だ。この部屋にはもう1つマガジンラックが。
片岡さんは第二種電気工事士の資格も持っているので、住宅や店舗の電気工事ができる。「コンセントの増設などが自分でできたら、リノベーションの幅も広がると思って取得しました」。古い物件はコンセントの数や位置がいまひとつということが多いので、資格が大いに活かされる。

こちらも収益目的の物件としてもうすぐ完成予定。これまでの経験を生かしつつ、都会の人向けにおしゃれにリノベーション中。

サンダーで丁寧にやすりがけされた階段は、この後どのように仕上げていくか検討中。「塗装をどうしようか考えるのも楽しみのひとつ」。
丸鋸やグラインダーなど、どこでも使いこなす片岡さんだが、「作業台があるとやはりやりやすい」。ホームセンターで購入した脚に、余った板をのせて。

「ここも、実験ハウス・東京版という感じになってきていますね。キッチンキャビネットを買って搬入したものの、まだ梱包を解いていなかったりします(笑)」

片岡延江

片岡延江 さん (かたおか・のぶえ)

フリーエディター

編集業の傍ら不動産、DIYに関することをサポート中。4人の子の母。小学校の学習支援員でもある。

『クロワッサン』1046号より

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