くらし

コロナを機に決心。Ed TSUWAKIさんの「見晴らしのいい」郊外の住まい。

都会にいる必然性がなくなり、郊外に越す人が増えている。イラストレーターのEd TSUWAKIさんもそのひとりだ。
  • 撮影・今津聡子 文・長谷川未緒

コロナを機に決心。運良く出合えた、自然が近い家。

燦々と陽が降り注ぎ、バルコニーからの見晴らしが抜群にいいこの部屋が、国内外で活躍するイラストレーター・Ed TSUWAKIさんの新居だ。

冬でも晴れた日中は暖房がいらないくらい日当たりのいいリビングダイニング。

30数年、おもに東京都渋谷区で暮らしてきたEdさんが、緑豊かな郊外の家に出合ったのは去年の春、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で外出自粛していたさなかのことだ。

緑豊かなバルコニーからの眺め。眼下に見える絵本に出てきそうな隣家の三角屋根と竹林が、Edさんの心を掴んだ。

「もともと家に籠もってるほうなので劇的に暮らしが変わったわけではないんだけど、すぐに都心に居続ける必然性を感じなくなりました。ならば少しでも自然に近いところに移ろうと。これは僕の中では攻めの姿勢の決断でした」

日々ネットで物件情報を見続けていたある日、この部屋を見つけた。それはまさに発見したという感じだった。

最近取り組んでいる新しいキャラクター。

都心から急行で30分強というロケーションながら、少し歩くと里山が広がる。築30年ほどのマンションだが、丘陵地のランドスケープを生かしたレイアウトは通常の箱型の建物とは趣を異にする。130平米・3LDKの賃料は、以前の部屋の5割程度になった。

リビングの一角に配置したワーキングスペース。

「自然に近い暮らしは、もっと都心から離れないと得られない環境だろうという先入観がありました。部屋の情報を見つけた2日後に内見に来ました。それがこの町を訪れた初めての日です。
自宅とアトリエと事務所機能のすべてをここに持ってくることになるけど、スペースは申し分なく、加えてバルコニーからの眺望と周囲の環境が圧倒的でした。去年の運はこれで使い果たしたと思うくらい幸運でしたね」

ずっと共に引っ越ししている古材の柱。新居にぴたりとはまった。

改修が必要なので、リフォームのため入居まで2カ月くださいと言われた。

「その間は待ち遠しくもあったけど、工事中の部屋に入らせてもらって細かな箇所まで採寸して、所有している家具や機材のレイアウトを考え、不要なものを整理したりするのにとても有効な時間でした」

アラスカ旅行で出合った、現地の家族に譲ってもらったヘラジカの角。寝袋にくるんで持ち帰った。

誰に相談することもなく、ひとりで直感的に決めた引っ越しだった。

「去年から今年にかけて、郊外に拠点を移すことがリタイアやエスケープではなく、クリエイティブに仕事をするためにもひとつの選択肢と受け止めてもらえるようになってきていると感じます」

骨董店で購入したGE製テープレコーダー。
旅先で拾った石や道に落ちていた蜂の巣など、自然の造形に惹かれる。
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