さらに、全面ガラス張りの壁面にも目を奪われる。ここには夫妻の好きなアート作品を飾って、まさにプライベートギャラリーの趣だ。
「扉付きにすれば猫がモノを壊す心配もないので、ガラス扉の収納にしました。このスぺースには2人で共有しているアートをディスプレイしています。夜は夫と、美術館でゆったりとお酒を飲んでいるような気分を楽しむんです
夫妻がくつろぐ椅子やソファをおおうカラフルなファブリックも魅力的だ。
「このリビングは、白い天井と壁、シンプルな木目のヘリンボーンの床というニュートラルな空間になっています。だから鮮やかな色合いや大胆な柄の布でもなじむんです。うちにはカーテンがないので、色のバッティングもありません。椅子やソファに布をまとわせるだけで、空間の雰囲気を大きく変えられるんですよ」
たとえば夫の実家から譲られた1人掛けソファ。結婚当初から様々なファブリックでおおい、生活を彩ってきた。
「マリメッコの仕事でフィンランドに通っていたとき、自然と共生しながら生活を大切にする北欧のライフスタイルや明るい布使いに魅せられたんです。ことに東日本大震災以降、モノを減らすほど気持ちよく暮らせるし、シンプルに暮らすことが空間も生かせることに気がつきました。余白があってこそ、アートも色彩も引き立つんですよね」