備蓄食と聞くと、日常生活とは違う特別な食品、とのイメージを抱きがち。
「まずその認識を変えましょう。普段食べ慣れないもの、まして苦手なものはストレスの多い災害時にはもっと食べられない。非常時にこそ当たり前の食事が強く求められます。備蓄といえば乾パンと型どおりに備えて、ハイ終わり、ではなく、自分や家族が食べられるものを、具体的な食べ方とともにイメージして備える視点が不可欠なのです」と防災食の研究・普及などの活動に長年携わる今泉マユ子さん。
大切なことは、日常生活のなかで少し多めの食料備蓄を心がけること。
「主食、おかず、おやつ、災害時に摂りにくい野菜、とざっくり分類し、日頃からローリングストックをしながら家族が最低3日、できれば1〜2週間過ごせる量を備えてください。甘くて即エネルギーが摂取できる食品やとろみ剤は高齢者や子どもだけでなく、ストレスで食べ物が喉を通りにくくなりがちなすべての人に役立ちます」
災害時でも一汁一菜の食事が心身を落ち着かせてくれる。
「特別な食材やライフラインなしでも、必要な栄養が温かな食事で摂れることが生きる気力に繋がります。平常時から家族みんなで試しておきましょう」