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書き下ろし新作詩も。いまこそ味わいたい詩の力。谷川俊太郎さんに聞きました。

前例のない日々が続くなかで、詩情は人々の支えになるのか。日本を代表する詩人に、今考えていることを聞くとともに新作詩をお願いした。

撮影・清水朝子(谷川さん)、黒川ひろみ

底抜け未来

谷川俊太郎

大きな政治に小さな大臣
大きな経済に小さな社長
ビッグデータに小さな呟き
一匹狼ならぬ一匹羊で
私は人類の滅亡よりも
一人のあなたを失う方が恐ろしい

SNSに目をつむり
夏の緑に目を見張る
山川草木が自然なら
ブラックホールも自然です
鯨が自然でウイールスも自然
ホモサピエンスの私も自然

神と言わずにマイメーカーと
映画の中でヒーローが言う
いのちのなんと多様なことか
そこでは善もなければ悪もないはず
老いたおかげで死ぬのも自然
未来はどうやら底が抜けてる

書き下ろし新作詩も。いまこそ味わいたい詩の力。谷川俊太郎さんに聞きました。

『クロワッサン』1025号より

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