時間が経ってもおいしい、肉のおかずの知恵【上田淳子さんのレシピ】。
お弁当のおかず作りには、冷めてもおいしく食べられる工夫がいろいろ。考え方がわかれば、素材を変えてアレンジはいかようにも。
撮影・馬場わかな 文・松本あかね
「作りたてはおいしいのに、お昼に食べたらがっかり、ということはありませんか?」と上田淳子さん。脂が白く固まった肉、冷めてカチカチになった焼き魚、水けの出たおひたし……。これらは“残念なお弁当”の三大要因。
「お弁当には、夕飯のおかず作りとはまた別のテクニックが必要です」
加えてこれからの季節は食中毒対策のためにもきちんと冷まして詰めることが重要。ご飯も盆ざるに広げてさっと扇風機に当てるなどすると表面がふやけずきれいに冷める。ポイントを押さえて、おいしく安心なお弁当作りを。
ポイント(1)保冷剤+バットで急冷。
蓋についた水蒸気が戻って味が薄まり、腐敗を呼ぶ事態を避けるため、おかずを急冷する工夫を。保冷剤の上にバットを置き、できたものからのせていく。ラップを敷けば洗う手間も省けて一石二鳥。
ポイント(2)肉・魚は粉でコーティング。
肉や魚がパサパサして硬くなるのは水分が流れ出てしまうせい。粉をはたいておくとコーティング効果でしっとり、ふっくら。タレを絡めるときも、ほどよくとろみが出て全体にまとわせることができる。
ポイント(3)「醤油洗い」で水けを追い出す。
よく絞ったつもりでも、時間が経つと水けが出るおひたし。覚えておきたいのは「醤油洗い」。茹でた青菜を一度絞ったら、醤油を絡めてさらにギュッ。浸透圧で水分が出つつ、醤油味はしっかり残る。
『クロワッサン』1019号より
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