くらし

冷蔵庫を正しく使うだけで、食材のムダ、減らせます。

正しい場所で適切に保存すれば、食材は長持ちし廃棄も減少。そのノウハウを読者の自宅を例に料理研究家の島本美由紀さんに教えてもらいました。
  • 撮影・青木和義 イラストレーション・山口正児 文・矢吹紘子

適切な温度のスペースに見やすく保管、が鉄則。

日本人が廃棄する食品の量はかなりのもの、と食品ロス削減アドバイザーの島本美由紀さん。たとえば横浜市では1年で一人あたり約2万2000円分の食材を捨てているというデータも。

「ロスをなくすには食品が傷む前に使い切ることが重要。そのための近道は、まず冷蔵庫内の温度差を知ることです。意外に知られていませんが冷蔵庫はスペースによって温度が異なり、食材を正しい位置に保管すれば、持ちが断然よくなります。さらにラベルを貼ったり、食材同士の重なりをなくしたりと、何がどこにあるのかがぱっと目に入る状態にすることも大事。すっと見渡せて、ワンアクションで取り出せる冷蔵庫に改善すれば、廃棄量もぐっと減るはず」

また、年齢が上がるほど買いだめしやすい傾向があるという。買い物は3日分をめどにし、お得感を煽るチラシなどに踊らされない意識を。

冷蔵庫、どう使うといいの?

(1)最上段は約6度。粉ものや乾物を。
開封済みの粉ものや未開封の瓶詰など。冷気が回るようゆとりを。

(2)3〜5度の中段は万能なエリア。
頻度の高いものを。一度で見渡せるように棚の奥行きを調整しよう。

(3)足の早い食材は約3度の最下段へ。
作り置きや残ったおかず、サラダなど。消臭剤もここへ。

(4)チルドは0〜2度。肉や魚の特等席。
最も温度が低い。開封済みの発酵食品や傷みやすいカット野菜などを。

(5)野菜室の温度は5〜8度とやや高め。
野菜の保存には包んだり、立てたりとそれぞれに合った工夫が必要。

(6)冷凍室の中身は7割以上収納。
におい移りと霜は冷凍食材の敵。ラップと袋の二重で保存。

(7)ドアポケットは案外高めの5〜8度。
開けるたびに温度が上がるので、使いかけの食材など傷みやすいものを入れるのはNG。開封後の調味料などを。

冷気は重いので下に流れる。冷蔵室は基本的に下段に向かうほど温度が低く、においも下にたまる。温度差を考慮しつつ、棚板やポケットの高さを調整して、食材を配置する。冷蔵室はスペースの7割以下、冷凍室は7割以上収納すると効率よく食材を保存でき、電気代も抑えられる。野菜室や冷凍室は上下2段に分かれていることが多いので、食材の形状やサイズに合わせて保存を。

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