くらし

冷蔵庫を正しく使うだけで、食材のムダ、減らせます。

  • 撮影・青木和義 イラストレーション・山口正児 文・矢吹紘子

冷蔵庫収納の悩みを聞きつつ改善点のアドバイス。

(左)大塩康子さん クロワッサン倶楽部会員番号094。(右)島本美由紀さん 料理研究家。

ケーキの箱が入るようなゆったりした冷蔵庫が理想。

クロワッサン倶楽部メンバーの大塩康子さん宅は、2DKのマンション。冷蔵庫は片開きで容量約350リットルと夫婦の二人暮らしにほどよいサイズだ。週の半分は自炊、ホームパーティも大好きだという。

「手土産をいただいても、冷蔵庫がぎゅうぎゅうで、しまう場所がなく困ることも。余った食材はお味噌汁にしていますが、使い切れないですね。夫がお菓子作りが好きでその材料も多くて。どこに何があるのかわかりにくいのも悩みです」(大塩さん)

島本さんによる最初のチェックで浮かび上がったのが、保管場所の間違い。

「一般的に冷蔵室は3〜6度、チルドは0〜2度、野菜室やドアポケットはやや高めの5〜8度ほど。開封済みのチーズなどの発酵食品はチルド、使いかけの瓶詰も中段から下段に保管するべきですね」と次々指摘。

大塩さんは、庫内整理に収納グッズを使うなど、一見優秀そうだが。

「まず野菜が全て一緒くたになっているのが惜しい! 水分が多いカット野菜は雑菌が繁殖しカビが生えやすいので温度の低いチルドか冷蔵室。夏野菜は野菜室でいいのですが立てたり紙で包んだりと、保存法にひと工夫すると、もっと長持ちします」(島本さん)

「冷蔵室の奥にあるものが取り出しにくいのも悩みです……」(大塩さん)

「棚板の高さと形状を変えましょう。最上段を1段下げて、出し入れしやすく。さらに中段の棚板を折り曲げて奥行きを半分にし、冷気循環と見やすさを確保。紙パック類はドアポケットに移動。庫内の可視化が食品ロス防止の肝でもあります」(島本さん)

ちなみに大塩さんは開封済みの調味料をシンク下に収納していたが、これもNG。お湯の排水で熱がこもりやすい場所なので、冷蔵庫のドアポケットに移動することに。

「目指すべきは見える、まとまっている、手が届く、の三拍子揃った冷蔵庫。何がどこにあるのか一目瞭然で、ワンアクションで取り出しやすい状態を維持するのが大事」(島本さん)

「急ないただきものもすっと入り、賞味期限も把握しやすい冷蔵庫にしたいです」(大塩さん)

冷蔵庫整理で必要なのは【可視化】と【ワンアクション】。

熱がこもりやすいシンク下の調味料は冷蔵庫へ。
味噌は凍らないので、冷凍室で保存してもいい。

島本美由紀(しまもと・みゆき)さん●料理研究家。冷蔵庫収納や食品保存、食品ロス削減アドバイザーとしてテレビや雑誌などで活躍。近著は『食品収納の神ワザテクニック』。

大塩康子(おおしお・やすこ)さん●クロワッサン倶楽部会員番号094。webマーケティング会社役員。家の整理や片づけを実践中だが、冷蔵庫までは手が回らず苦戦中。

『クロワッサン』1014号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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