この地を訪れる人は思う。なぜ、金沢ではなく富山なのか、と。『美乃鮨』店主・三島裕起さんの答えは明快だ。
「それは富山が観光向けの商売をしている飲食店が少ないからでは」
ある意味地味。けれどもその奥に隠された本物と出合ったとき、人は富山にやみつきになる。
写真に収めたのは、地魚だけでにぎる“富山湾鮨”だ。店主の説明は鮨についてというよりは、むしろ富山湾について熱い。いわく「湾は山の恵みの伏流水から豊富な酸素と栄養分が供給され、日本海に分布する約800種のうち約500種の魚が生息します」。
10かんで味わう富山の魚の衝撃、これを試さないわけにはいかない。